-疑いに陥れば、全ての日常が疑わしく見える。コロナ事態で分散投票が行われ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が自ら事前投票を行い、支持者に呼び掛けを行った結果ではないか。

 「京畿道富川市の新中洞では1万8210人が事前投票を行った。投票所は1カ所だけだった。事前投票は2日間だったが、実際に与えられた時間は24時間だった。計算上は1分あたり12.6人が投票しなければならない。富川乙選挙区の上洞では1万2921人が事前投票したので、1分当たり9人という計算になる。これは現実的に可能だろうか。判事と共に裁判所の決定を持参で証拠保全執行に出向いても、事前選挙人名簿は提出されていない」

-どういうきっかけで調査が行うことになったのか。

 「ソウル市、京畿道、仁川市で事前投票の得票率がいずれも(与野党が)63対36で、ソウル市の424の洞単位で1カ所の例外もなく、民主党の事前投票での得票率が投票日当日の得票率を上回ったとする分析資料を見てからだ」

-統計的にはおかしく見えるかもしれないが、首都圏の支持傾向が似通って表れることもあり得る。現実に出た数字を「統計がおかしいので信じられない」と否定することになるが。

 「自分がインターネットコミュニティーで与野党の事前得票率が63対36だという分析データを確認したのは4月16日午後4時55分だった。全ての開票作業は同日午後11時に終了した。その短い時間にいくら天才だとしても、選挙区、事前投票所ごとの得票数データを全てダウンロードして集計を行い、管内・管外の事前得票数まで分析することはできない」

-どういうことか。

 「そのデータが事前に作られていたという意味だ。それに投票数を合わせたのではないかという見方だ。内部関係者によってデータが流出した可能性がある」

-立証できない主要を騒ぎ立てる場合ではない。分析データの出所を確認しなかったのか。

 「IPデータを追跡したところタイだった。自分は以前国税庁教育院の専任教授を3年務めたので、統計数値には通じている。でっち上げの値があったと思う。自分が『事前投票結果が不正ではないと証明できれば1000万ウォン払う』とインターネット上に書き込んだがまだ誰も現れない」

-与党の事前投票圧勝は戦略投票の結果だという分析がある。「有権者は一つの母集団ではなく、事前投票と本投票の集団は全く別個だ」とする主張もあるが。

 「与党支持者が事前投票日に大挙押し寄せて戦略投票したという主張は虚構だ。全国の1537の洞別の事前投票率と政党投票率を比較した分析データがある。民主党の得票率が高い選挙区ほど事前投票率が低く、統合党の得票率が高い選挙区では逆に事前投票率が高かった。事前投票が決して与党勢力の傾向による票ではなかったことを示している」

-この分析データは検証されたものか。

 「最近検証されたものだ。当然のように受け入れられた選挙結果分析で矛盾する点がまだある。本投票に出かけた人は保守傾向の60代以上が多かったとされるが、実際には与党支持傾向の30、40代の方が圧倒的に多かった。しかし、結果は民主党よりも野党統合党の票が若干多かった。事前投票を行った人は50、60代以上が多かったが、与党が22ポイントも上回った。普通には説明が付かない」

-開票所では選管職員、開票事務員、政党の立会人が見守っている。投票分類機と計数機を経た100票ごとの束を手作業で確認する。開票状況表を壁に張り、リアルタイムで政党とメディアに共有する。上級選管にそれをファクスと電算ネットワークで報告する。どうやって不正ができるというのか。

 「100枚単位の投票用紙をざっと見るだけで、投票数を細かく作業は行わない。投票用紙の分類器で『2番』の票や無効票が『1番』に流れる場面の動画がある。扶余選挙区では投票用紙の分類機では与党候補の票が多かったが、手作業では100票以上劣勢だった。ソウル市城北区の開票所では電子開票機が1810票を1680票と認識したケースがあった」

-そうした事例はむしろ電子開票機でエラーが発生した際、それを察知できるシステムがある証拠ではないか。

 「立会人が細かくチェックできる現場ではない。発覚しなかったケースがもっと多かったはずだ」

 朴氏は疑惑を事実と盲信し、自己中心的に誤って解釈している可能性がある。それでもメディアとしては疑惑を提起する余地は十分にあると考える。無視したり、あざけりや非難の対象としたりすべきではない。世の中に選挙不正説が広まっている今だからこそ、積極的に検証する姿勢が正しい。

チェ・ボシク上級記者

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