▲京畿道果川市の中央選挙管理委員会大会議室で28日、選管職員がマスコミを対象に投開票の公開デモンストレーションを行い、開票作業を行いながら説明している。/オ・ジョンチャン記者

 韓国の中央選挙管理委員会は28日、4月の総選挙が終了してから40日が過ぎる現在まで一部で指摘されている「不正選挙」疑惑が収まらないことから、メディアを対象とする投開票のデモンストレーションを実施した。

 京畿道果川市中央洞で選挙区に候補者4人が出馬、比例代表には35の政党が候補を擁立、有権者1000人が事前投票(期日前投票)を行うというシナリオを想定し、3時間にわたり投開票の過程とセキュリティー対策に関する実演と説明を行った。投開票設備も分解して公開した。選管は「ハッキングによる選挙不正はあり得ない。選挙訴訟が139件も起こされており、裁判所の決定に従い再集計を行い、真実を明らかにしたい」と表明した。

 投票用紙が「三立パン」のケースに保管されていた問題、封印紙が流出した問題については、「保管箱の不足」「職員のミス」を認め、不備な店は改善したいと説明した。「不正選挙」疑惑と選管の説明をQ&A方式で整理した。

Q 中国などから投開票に使用される機器をハッキングし、選挙結果を操作したのではないか。

A ハッキングはできない。投開票機器や投票用紙の仕分け機に使用されたノートパソコンには無線LANカードがなく、外部と通信できない。また、選挙時には内部の閉鎖式ネットワークを使用する。開票状況票を出力するプリンターは無線LAN機能を除去するとプリンター機能が作動しないため、Wi-Fi機能を技術的に除去して使用した。

Q 京畿道九里市選挙区の事前投票の箱から1番に選択印が押された投票用紙が束で見つかった。

A 開票のために投票箱を開けた際には選挙区と比例代表の投票用紙が混在した状態だ。選挙区で1番に入れた投票用紙が束で出てくることはあり得ない。

Q 京畿道富川市新中洞では1万8210人が管内事前投票を行った。実際の投票時間は24時間だが、1分当たり12.6人が投票するのは不可能だ。

A 新中洞で管内事前投票を行ったのは1万8120人、管外事前投票を行ったのは6134人だ。管内投票者が1人当たり12.6人投票したというのは、投票用紙発給機1台、記入台が1カ所で計算した数字だ。当時新中洞の投票所には発給機23台(管内15台、管外8台)、記入台27カ所があった。時間内に投票が可能だ。

Q 京畿道城南市盆唐区の開票で瑞草区乙選挙区の投票用紙1枚、盆唐区甲選挙区の投票用紙9枚が発見されるなど他の選挙区の投票用紙が発見された事例があった。

A 管外投票者の投票用紙は投票者の住所地に送付の上で開票しなければならない。このため、回送用の郵便封筒を配布する。ところが、管外投票者が回送用封筒に投票用紙を入れず、投票用紙だけを投票箱に入れるケースがある。そうした投票用紙は別の封筒に入れ、管内事前投票箱に入れる。開票所ではその投票用紙を別途開票し、該当地域の選管に送って合算する。事前投票箱から他地域の投票用紙が発見されるのはそうした事例だ。

Q 投票箱に貼られた封印紙3枚で立会人の署名が異なる。投票箱がすり替えられたのではないか。

A 立会人が投票過程で交代することもあり得る。そのため、投票開始時に投票箱の両側に貼る封印紙と投票終了時に投票箱の上に貼る封印紙では立会人の署名が異なることがあり得る。封印紙が破れた場合、再度貼らなければならないため、その過程でも立会人の署名が異なってくる。

Q 事前投票用紙のQRコードに個人情報が記録されているのではないか。選挙法には事前投票用紙に棒状バーコードが表示されていなければならないと規定されている。

A 31桁の数値情報が記録されたQRコードには個人情報は全くない。国会議員選挙などの選挙名、選挙区名、管轄選管名、通し番号だけだ。誰がいつ投票したかに関する情報は全くない。棒状バーコードは数字の「1」のように見え、「1番」を連想させるという指摘があり、事前投票制が導入された2014年から2次元バーコードであるQRコードを使用している。次期国会で法改正が行われ、明確な条文に変更されることを望んでいる。

キム・ジョンファン記者

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