SKワーバーンズの先発投手・李建郁(イ・ゴンウク、25)は日本の「二刀流」スーパースター、大谷翔平=ロサンゼルス・エンジェルス=の話題になると恥ずかしくて顔が赤くなるという。東山高校を卒業して2014年にSKに入団した李建郁は、けがや兵役などで活躍できなかったが、今年になってその実力で花開いた。

 シーズン序盤はあまり知られていなかったため、李建郁を紹介する時は「大谷に勝った男」という修飾語がついて回った。李建郁は2012年、第25回18U(AAA)世界野球選手権大会の日本との5・6位決定戦で、1歳年上だが学年は同じ大谷翔平と先発対決を繰り広げた(李建郁は1995年2月生まれ、大谷翔平は1994年7月生まれ)。

 李建郁は当時、8イニング3安打無失点に抑える好投をし、7イニング2安打2失点の大谷に勝った。李建郁は今年2月、動画投稿・共有サイト「ユーチューブ」のSK公式チャンネルに出演して、「あの時は午前8時からの試合だったが、試合開始30分前に自分が先発することを知った。投げてみたら相手の先発が大谷だった。当時も有名な選手だったから、絶対に勝ちたかった」と語った。

 大谷の話が出ると照れくさそうにする李建郁は、動画メッセージを送ってほしいと頼むと、「君に勝って助けになったような気もするけど、からかわれているような気もする。最近手術をしたと聞いたけど、ちゃんと復帰して、さらにいい選手になってほしい」と語りかけた。すると、隣にいたチームメイトの投手キム・ジョンビンが「大谷はメジャーを制覇しているけど、お前はリハビリを制覇したね」とからかった。長年けがに悩まされ、リハビリを続けているチームメイトに皮肉まじりの冗談を言ったのだ。李建郁は「地下の世界の話は持ち出すな。今、はい上がってきたじゃないか! これからは光も見えてくる」と言い返した。

 李建郁はこれまでけがでキャンプを完走したことがなかった。SKは毎年、米フロリダ州のベロビーチでキャンプを行う。李建郁は2回、ベロビーチのキャンプに参加したが、1週間もたたないうちにけがで早期帰国した。3回目のキャンプ参加だった今年は何事もなくキャンプを終えた。そのころから良い予感がしていた。

 今、あえて大谷の話を持ち出さなくても李建郁のことを知る野球ファンが増えた。李建郁は5月28日の斗山ベアーズ戦で、けがのため先発ローテーションを外れたニック・キンガムに代わってマウンドに上がった。プロで初の先発登板。心配をいい意味で裏切り、5と3分の1イニングを1失点に抑える好投でデビュー初勝利の感激を味わった。

 6月26日のLGツインズ戦では6イニング無失点でプロ初のクオリティスタート(6イニング3自責点以下)を記録し、白星を追加した。そして7月8日に首位のNCダイノスと対戦して6イニング1失点と好投、3-2の勝利を導いて3勝目を挙げた。李建郁はNCの強打線を相手に3安打しか許さず、5奪三振した。今季防御率2.95(先発としては3.20)というエース級の活躍だ。上位チームすべてを相手に勝利を挙げた。

 李建郁は試合後、「打者が僕の球威に押されてファウルを打った時はうれしくて自信がわく。球速に比べて球が伸びると言われた」と言った。今季が先発登板も初めて、先発ローテーションに入るのも初めての李建郁は「ローテーションで登板順が回ってくれば来るほど、自分の登板日が早く来る感じがする。それでも本当に楽しい。(チャンスをくれた)キンガムにも、私を信じてくれた廉京ヨプ(ヨム・ギョンヨプ)監督にも感謝する」と語った。

チャン・ミンソク記者

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