「中国の家主に部屋を借りて暮せというのか? 外国人不動産規制政策を今すぐ立てろ!」

 6日午前11時、ソウル市鍾路区の政府ソウル庁舎前で、「自国民逆差別売国不動産政策糾弾」という記者会見が行われた。文在寅(ムン・ジェイン)政権の不動産政策に反対する団体が主催したこの会見で、参加者約20人はそれぞれプラカードを手にしていた。「家を持っていたら積弊か?」「国民ファーストだ」「自国民冷遇売国不動産政策NO!」「持っているだけで罰金、自分の子にやっても罰金」「税金は賃貸人が払うもの、権利は賃借人がもらうもの」などの言葉が書かれていた。

 これら参加者たちは政府の自国民逆差別的な不動産融資規制を批判した。政府が外国人は放置したまま、自国民にのみ不動産融資規制をしているというのだ。

 国税庁によると、外国人が国内で購入したマンション物件は、2017年から今年5月までで2万3167物件にのぼり、取引金額は7兆6726億ウォン(約6834億円)に達するとのことだ。マンション物件の購入地域もソウル(4473件・3兆2725億ウォン=約2915億円)、京畿道(1万93件・2兆7483億ウォン=約2248億円)、仁川市(2674件・6254億ウォン=約557億円)など、首都圏に集中している。特に中国人は同期間にマンション1万3573物件を購入し、外国人全体のマンション購入件数の58.6%を占めた。中国人が購入したマンションの取引金額は3兆1691億ウォン(約2823億円)に達する。外国人による国内マンション購入が急増したのは、韓国人に比べて資金調達が容易なためと見られる。

 12・16対策(2019年12月16日発表の不動産規制)に基づいて、国内金融機関で投機過熱地区の住宅を担保に融資を受ける時は韓国人・外国人関係なく住宅価格の20-40%の総資産有利子負債比率(LTV=不動産購入価格に占める借入金の割合)規制が適用される。しかし、外国人が自国の金融機関から金を借りてマンションを購入する場合はこのような規制が適用されない。最近、国税庁の税務調査対象になった30代の中国人は留学目的で韓国に来て、ソウルの高価なマンションをはじめ全国各地のマンション8物件を購入して高額の家賃を受け取っていたことが明らかになった。だが、この中国人のマンション購入資金の出どころは不明だ。

 世帯単位で住宅数が分かり、複数の住宅所有者は総合不動産税と譲渡税負担が大幅に高くなる韓国人とは違い、外国人の場合は課税当局が家族構成を把握するのが容易でなく、総合不動産税・譲渡税重課が難しいという点も問題だ。調整対象地域に1住宅を所有している人が2年前に10億ウォン(約8900万円)で買ったマンションを12億ウォン(約1億700万円)で売る場合、680万ウォン(約61万円)程度の譲渡税のみ負担すればいいが、同じ条件で2住宅を所有している人は譲渡税を8290万ウォン(約738万円)払わなければならない。韓国人の夫婦がそれぞれの名義で家を1物件ずつ所有している場合は2住宅所有者となる。ところが、中国人夫婦がそれぞれ1物件の場合、税務当局は同世帯であることを証明できなければ、それぞれ1住宅所有者になり、譲渡税負担を大幅に軽減することができる。金融投資業界関係者は「あらゆる不動産税制が外国人にとって有利なわけではないが、複数住宅所有者を見ると、外国人が有利かもしれない」と語った。

 外国人に対して不動産規制を強化するよう主張している人々は、シンガポールのように外国人に高い税率を課すよう主張している。国土研究院によると、シンガポールは1住宅実需者が住宅を購入する場合、価格に応じて1-4%水準の低い取得税率を課すが、外国人には取得税20%を追加で賦課するという。香港は2016年11月から外国人が不動産を取得する際に出す印紙税をこれまでの8.5%から15%に引き上げ、3年以内に売った場合は特別税名目で売買価格の20%を課税する。ニュージーランドは2016年の一年間で住宅価格が11%急騰したのを受け、2018年に外国人居住者を対象に、新規住宅は購入可能だが、既存住宅は購入できないようにする法案を可決した。外国人の不動産取得が規制の死角にあるとの指摘が相次ぎ、与党が関連法案を発議したものだ。

 与党・共に民主党のチョン・イルヨン議員は先月30日、外国人が国内の住宅を購入した後、6カ月以内に実際に居住しない場合は取得税を20%重課するという内容の「地方税法改正案」を代表発議した。

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