▲入廷時には笑み、退廷時には深刻な表情/NEWSIS・聯合ニュース

 全羅南道木浦市の都市事業計画を事前に入手し、他人名義で不動産を取得したとして、腐敗防止法違反などの罪で起訴された元国会議員、孫恵園(ソン・ヘウォン)被告は12日、一審のソウル南部地裁で懲役1年6月の実刑判決を受けた。同地裁の朴晟圭(パク・ソンギュ)部長判事は事件を「重大な不正」と指摘し、孫被告について、「改悛(かいしゅん)の情が見られない」と批判した。ただ、「防御権の保障」を理由に身柄は収監しなかった。孫被告と共に不動産を取得した罪で起訴された補佐官J被告にも懲役1年が言い渡された。

 孫被告は2017年5月、本人が国会文化体育観光委員会の与党幹事だった当時、木浦に5年間に50兆ウォン(約4兆5100億円)を投じる「都市再生事業計画」を事前に知り、親族や知人名義で総額14億ウォン相当の不動産26区画を購入させたとして起訴された。ゲストハウス「チャンソン荘」を親族名義で不法に所有した疑いも持たれていた。検察は今年6月、孫被告に懲役4年を求刑した。

 孫被告はこれまで過激な表現を使い、自身の潔白を主張した。判決公判を控え、裁判所に入廷する際にも孫被告は支持者と笑いながら抱き合う余裕を見せていた。

 孫被告は昨年8月、自身のフェイスブックに今回の事件について、「自分を魔女扱いするものだ」とし、「法廷で潔白が明らかになる」と主張していた。しかし、ソウル南部地裁は「公職者に対する国民の信頼を大きく傷つけた今回の事件の犯行は我々の社会で是正されるべき重大な不正だ」とし、「被告は事件の犯行を終始否認するなど、改悛の情が見られず、実刑は避けられない」と判決理由を説明した。

 孫被告は昨年1月には「(チャンソン荘などが他人名義ではない点に)財産を全て懸けるほか、国会議員職も辞任する。命を差し出せというならそれでもよい」と発言した。しかし、ソウル南部地裁は「孫被告が実権利者として、該当する不動産(チャンソン荘)を他人名義で購入し、他人名義で登記しており、不動産実名法に違反した」とし、チャンソン荘を国が没収すると宣告した。

 ソウル南部地裁は孫被告が17年5-12月、親族と知人の名義で取得した不動産(土地8区画)については、腐敗防止法違反に当たるとした。腐敗防止法は「公職者は業務処理で知り得た秘密を利用し、財物・財産上の利益を得たり、第三者に利益を得させたりしてはならない」と定めている。

 孫被告は実刑判決を受け、言葉なく裁判所を後にした。その後、フェイスブックを通じ、「検察の一方的主張を受け入れた有罪判決は納得できない」とし、控訴する意向を示した。「裁判所で有罪判決が出たら、全財産を投げ出す」としていた孫被告は昨年、「自分は財産がこれ以上増殖することを望まない」とまで発言していた。今年3月に公示された孫被告の財産は46億3583万ウォンだった。内訳は土地が13億1975万ウォン、建物が22億792万ウォンなどだった。

 昨年ソウル南部地検で孫被告の事件捜査を統括したキム・ボムギ第2次長検事(当時)は、起訴後の今年初め、大田高検検事に異動となった。一線の捜査業務から外す左遷人事だった。

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