文在寅(ムン・ジェイン)大統領が2日、看護師たちに感謝の意を表してフェイスブックに投稿した記事には、この日だけで2万件を超えるコメントが寄せられた。このうちかなりの数を占めたのが批判コメントだった。大統領が「ワンチーム」である医師と看護師を二つに分断するような発言したことに対する指摘が相次いだものだ。医師たちはもちろん、かなり多くの看護師たちも批判的な反応を示している。

 文大統領は同日、「医師」という単語に2回だけ言及した。看護師たちについて「専攻医などの医師たちが去った医療現場を黙々と守っている」とした上で、「長期間にわたりストライキしている医師の荷まで担わなければならない状況だから、どれだけつらくて困難でいらっしゃることか」と書いた。そして、「歌手IU(アイユー)がアイスベスト(冷却ベスト)を寄付したというニュースも聞いた」「看護師の方々のそばにはいつも我々国民がいるという事実を忘れてはいけない」と投稿した。

 これまでも文大統領はストライキ中の医師たちに対して、「原則的な法執行を通じて強く対処せよ」(8月26日)、「戦時の状況で逆に軍人たちが戦場を離脱するのと同じ」(8月27日)などと強く批判してきた。先月31日の首席秘書官・補佐官会議でも「(医師の倫理・責務について誓った)『ヒポクラテスの誓い』を忘れるべきではない」「非常に遺憾だ。政府の立場では選択肢が多くない」と述べた。

 この日の投稿文は、文大統領が医療界の集団休業(ストライキ)にあって看護師たちを励ますという趣旨で投稿されたものだった。

 しかし、医師たちや一部の看護師たちは同日、「大統領は医師と看護師を仲たがいさせている」と強く反発した。首都圏のある専攻医は「事実上、医師たちを狙った文だ。首相が話し合おうと言っておきながら、振り返ると大統領が医師を敵に回しているようなもの」と表現した。

 文大統領のフェイスブックのコメント欄を見ると、ソという人物は「これが大統領の言うべきことなのか。ハッキングされたものではないのかと疑いたくなるほどだ」と、チョンという人物は「その看護師と苦楽を共にしてきたのは大統領ではなく医師たち。国家元首の言動として軽々しいように思う」と書き込んだ。キムという人物は「なぜ医療従事者を仲たがいさせるのか。また失望させられた」と書いている。

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などで活動している看護師団体「若い看護師会」は「看護師の労苦を知らしめてくださったことについて感謝している」としながらも、「看護師たちの苦労を減らす方法は看護大学の定員増員や地域看護師制ではない。看護協会ではなく実際の看護師たちの声を聞いてほしい」と訴えた。文大統領が同日言及した公共病院の看護師人材増員などを断るという反応もあった。

 「歌手IUがアイスベストを寄付したというニュースも聞いた」と文大統領が同日、言及した点も問題となっている。IUのファンの一部はこの日の声明で「看護師たちだけでなく医師たちにも医療用防護服などを寄贈した」と一線を画した。看護師だけに寄付したわけではないから、医師に対する批判で言及されることは望まないという意味だと解釈されている。「純粋な気持ちで寄付したのに、政治的に利用するな」と不快感を表した人もいた。

 文大統領はこの投稿文で、特に「この猛暑の時期、屋外の(新型コロナウイルス感染の有無を調べる)選別診療所で防護服を脱げない医療従事者たちが倒れたというやるせないニュースが国民の心に響いた」「医療従事者と表現されているが、ほとんどが看護師だったという事実を国民はよく知っている」と強調した。だが、これに対しても「典型的な分断行為で、事実上の防疫の主役を医師ではなく看護師だけと規定したこと自体が間違っている」との批判も相次いだ。

 事実、保健福祉部によると、7月9日までの新型コロナウイルス医療従事者計3946人のうち、最も多かったのは医師(1869人)で、次いで看護師・准看護師(1650人)、その他の人材(427人)の順だった。新型コロナウイルスが韓国で最初に広がった大邱・慶尚北道地域に限定すると、看護師・看護助手(1400人)の方が医師(1200人)よりやや多かった。

 野党は同日、文大統領の投稿を「分裂の言語」と強く批判した。国民の力=旧・未来統合党=の河泰慶(ハ・テギョン)議員は「新型コロナウイルスの時期に統合ではなく医師と看護師の分断を選んだ文大統領は三流大統領になりたいのか」と述べた。

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