秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の息子の「兵役特別待遇」疑惑に続き、政治献金を不適切に使用していた事例が相次いで明るみに出ている。子どものために私的な用途で政治資金を使用していた疑いのほか、20日には政治資金を個人の政策シンクタンクに「お手盛り支援」を行い、江原ランド(ハイワンリゾート)の入場料にまで流用していた疑惑も明らかになった。

 野党国民の力の金度邑(キム・ドウプ)、趙修真(チョ・スジン)国会議員室などが秋長官の政治資金の支出内訳を分析した結果、秋長官は2014年9月、社団法人「夢の風呂敷(クムボッタリ)研究所」に政策研究院会費、負担金などの名目で400万ウォン(約36万円)を寄付した。

 当時同研究所は企画財政部の指定寄付金対象団体だったが、事実上秋議員を支援する個人シンクタンク同然だったというのが野党の主張だ。実際に同研究所は総選挙を控えた2016年3月、民主党の党内選挙の「ARS方式」によるモバイル投票で、秋議員への支持を求める広報ポスターをウェブサイトに掲載した。モバイル投票方式を段階別に説明しながら、「どの候補を支持しますか。秋美愛」などという文言が挿入されていた。また、同研究所の会員・後援申請書はファクスまたは電子メールで提出することになっているが、メールアドレスは秋美愛議員室が当時対外的に使用していたものと一致する。金度邑議員は「秋議員が事実上、私的な組織同様に運営していた研究所に対し、公的に使用すべき政治資金を支出したことは『お手盛り支援』にほかならない」と指摘した。

 政治資金法によると、後援金は家計支出または補助の用途で使用できない。違反した場合、2年以下の懲役または400万ウォン以下の罰金に処される。また、政治資金の収支内訳を虚偽提出した場合は、3年以下の懲役または600万ウォン以下の罰金に処される。

 秋長官が2011年1月6日、江原道旌善郡のハイワンリゾート(江原ランド)の入場券を政治資金で決済した背景にも疑問が指摘されている。秋長官はまた、同日だけでソウル市、江原道太白市などで給油費用として3回にわたり、30万ウォン余りを決済した。特に太白市の同じガソリンスタンドで同じ金額(11万ウォン)の給油を2回行った点は通常考えられないとの指摘だ。政治資金を私的な用途に使用した後、記録に虚偽記載を行った疑いが生じかねない。

 秋長官はまた、共に民主党代表だった17年1月3日、忠清南道論山市練武邑の焼肉店で政治資金用のクレジットカードによる決済を行った。これについて、法曹界からは「明らかな違法であり、政治資金法の公訴時効(5年)が到来しておらず、告発があれば捜査に着手せざるを得ない」と指摘する声が上がっている。決済が行われた日には秋長官の息子S氏(27)の論山訓練所修了式があったが、支出内訳には「議員懇談会」と書かれていた。秋長官は当日、論山ではなく、公開日程で京畿道坡州市の軍部隊で昼食を取っていたことが判明した。このため、クレジットカードを秋長官以外が使用した可能性も指摘されている。

 姜新業(カン・シンオプ)弁護士は「秋長官が直接自分のカードを使うようにと何者かに手渡したとみられるため、本人が処罰される可能性が高い」と指摘した。休暇請託疑惑、政治資金不正使用論争がエスカレートしているが、秋長官本人は「補佐官がやったこと」「会計処理は直接やっていない」と弁明している。

 一方、秋長官の息子S氏が中学校3年在学当時、国家報勲処が支援するエチオピア医療奉仕団に特別待遇で参加したのではないかとする疑惑に関連する写真も明らかになった。奉仕団の出国当時、秋長官が直接仁川国際空港に向かい、S氏ら奉仕団と共に記念撮影を行っていた。当初奉仕団の名簿に秋長官の息子は含まれていなかったが、後から奉仕団に加わっており、母親のコネを使ったのではないかというのが疑惑の趣旨だ。

◆「世界で最も平和な国」1位はアイスランド、韓国48位、日本は?

ホーム TOP