▲青瓦台の接見室でバイデン氏と初めての電話会談を行っている文在寅(ムン・ジェイン)大統領。12日撮影。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は12日、米国の大統領選挙で当選したバイデン氏と14分間の電話会談を行った。バイデン氏が今月8日に正式に勝利宣言の演説をしてから4日後だ。

 会談でバイデン氏は「韓米同盟」を強調し「韓国はインド・太平洋地域の安全保障と繁栄におけるリンチピン」と述べた。「リンチピン」とは、オバマ前大統領が2010年から韓米同盟の重要性を強調する際にたびたび使用した言葉だ。当時、副大統領だったバイデン氏がこの言葉を改めて使ったのだ。

 バイデン氏はさらに「韓国に対する防衛公約は確実に維持し、北朝鮮の核問題解決に向け緊密に協力していきたい」とも明言した。同盟よりも防衛費分担金の引き上げなど、経済的な実利を強調したトランプ大統領とは異なる考えを示した形で。米朝対話そのものよりも、「北朝鮮の核問題解決」により重点を置いたと解釈されている。

 バイデン氏は「今後はコロナへの対応、保健安保、世界経済の回復、気候変動、民主主義、太平洋地域における平和と繁栄のために韓米が緊密に協力していくことを期待する」との考えも示した。

 青瓦台(韓国大統領府)は「双方はバイデン大統領就任後、できるだけ早い時期に会談を行い、直接対話を行う機会を持つことで合意した」と説明した。この結果、来年初めのバイデン政権発足直後に韓米首脳会談が行われることが予想されている。文大統領はバイデン氏の当選を祝い「過去70年間、韓半島と地域の平和・繁栄の基盤となってきた韓米同盟の発展と韓半島の非核化、恒久的平和の定着に向け緊密に疎通することを願う」と述べた。

 電話会談に先立ちバイデン氏は、米国の復員軍人の日(11月11日)にフィラデルフィアにある韓国戦争参戦記念碑に花をささげた。大統領選挙での勝利宣言後、外部で最初に行った最初の公式日程だった。バイデン氏は文大統領との電話会談直前に日本の菅義偉・首相と10分間電話会談を行い「米日同盟はインド・太平洋地域のコーナーストーンだ」と述べた。

 外交関係者の間では、「バイデン氏は韓国や日本との同盟を強化し、『韓米日協力体制』を固くすることで、中国へのけん制に乗り出すだろう」と予想する声が出ている。そのため今後は韓国政府に対し、「韓日関係改善」を要求してくる可能性が高いとみられている。

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