▲朴在東氏が「首を切られた尹錫悦」を描いた風刺漫画 写真=京畿新聞

 ハンギョレ新聞の風刺漫画を長年描いていた有名漫画家の朴在東(パク・ジェドン)氏が「首を切られた尹錫悦(ユン・ソクヨル=検察総長)」を風刺漫画で描き、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で物議を醸している。風刺漫画とはいえ、表現が行き過ぎではないかと指摘されているものだ。

 朴在東氏が26日付の京畿新聞1面に描いた「朴在東の手のひらアート」という風刺漫画コーナーには、最近対立している秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官と尹錫悦総長の姿がある。過去の国政監査で尹錫悦総長が「検察総長は法務部長官の部下ではない」と述べた発言を引用、風刺漫画の中の同総長が「私はあなたの部下ではない」と言うと、腕を組んでいる秋美愛長官が目の前で「願い通りに」と言っている姿が描かれている。尹錫悦総長の首は切られた状態だ。

 風刺漫画の下には「尹錫悦総長と秋美愛長官の対立は一つの峠を越えた。さあ…」という文が書かれている。秋美愛長官はすぐに尹錫悦総長を解任するだろうから、2人の対立も峠を越えた、という趣旨のように見える。朴在東氏は同紙に23日から毎日、風刺漫画を連載しているとのことだ。

 SNS上でこの漫画が騒動を呼ぶと、陳重権(チン・ジュングォン)元東洋大学教授は朴在東氏に向かって、「セクハラ(性的嫌がらせ)も検察のせいだろう」と書いた。朴在東氏は2018年、結婚式であいさつをしてもらおうと頼みに来た後輩の女性漫画家に対してセクハラをしたという「MeToo(性的暴行被害体験の告白)」騒動があったことを皮肉ったものだ。

 陳重権氏が引用したフェイスブック利用者は、その風刺漫画について「『式でのあいさつをお願いしに行った結婚前の女性のスカートの中に手を入れるという悪質なセクハラをした』と告発され、裁判まで受けておきながら、『記憶にはないが謝罪する』と言った者の絵」「こういう人の脳の構造は選民意識と善悪二分法がいっぱい詰まっているので、たいていの過ちにはビクともしない」と書いた。

 朴在東氏はMeToo騒動時、セクハラの事実を認めて公開謝罪したが、後に「虚偽の事実が含まれていた」として自身のMeToo騒動を報道したマスコミを相手取り、訂正報道請求訴訟を起こした。だが、一審・二審とも敗訴している。

 一審は「情報提供した内容と法廷での証言はほとんど一致しており、実際に経験していなければ陳述が難しい具体的な内容が含まれている」として朴在東氏敗訴の判決を下した。先月の二審も「朴在東氏はさまざまな説明をし、悔しく思うことも多いと言っているが、綿密に調べても一審の判決が不合理だと見ることはできない」と判断した。

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