コラム
【記者手帳】中国進出控えた現代自動車ジェネシス、成功方程式はあるのか
現代自動車の高級車ブランド「ジェネシス」が今年、中国市場に本格進出する。昨年11月には中国・上海で開かれた中国国際輸入博覧会(CIIE)でジェネシスブランドを披露し、進出計画を表明した。ジェネシスは中国に続き、欧州進出も検討している。世界最大の自動車市場である中国と自動車の本場である欧州に勝負を懸ける格好だ。
ジェネシスは世界市場で一種の試験台に上がることになる。BMW、ベンツ、レクサスなどと肩を並べるプレミアムブランドに飛躍できるか、コストパフォーマンスが優れたブランドにとどまるかの分かれ道だ。今年発売されたG80、GV80が国内外で好評だが、ジェネシスがプレミアムブランドとなるには「プラスアルファ」が必要だと言われている。並外れた技術力と差別化された戦略がなければならない。
問題は中国市場進出を控え、ジェネシスだけの明確な戦略が見えないことだ。実際に現代自内部からは具体的な進出時期、マーケティング戦略、生産方法などをまだ検討しているとされる。
中国市場への定着に成功するためには、越えなければならない山が多い。まず自国企業を好む中国の消費者をとりこにするポイントが必要だ。中国の消費者にとっては、ジェネシスや現代自を購入する理由は少ない。ドイツ車に比べてブランドパワーが劣り、中国車に比べては価格競争力を備えられていないからだ。
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特にジェネシスは韓国で生産を行い、中国に輸出する方式を取るとみられるが、そうなると、中国現地に生産拠点を構築している他の世界的メーカーと競争するのはさらに困難とみられる。中国は輸入車に20%を超える関税を課しているため、ジェネシスと同クラスのドイツ車に比べ、価格は割高になる可能性もある。
ジェネシスブランドの高級車イメージをどう消費者にアピールするのかもあいまいだ。数年間現代自が中国の消費者に無視されている状況で、「ジェネシスは現代自の高級車ブランド」だと紹介すれば、その説明は中国の消費者にどれほど通じるだろうか。
プレミアムブランドとして成功した模範事例としてはレクサスがある。トヨタはレクサスブランドを投入する前、米国市場で「ラクジュアリー」現象を理解するため、富裕層がどんな自動車ブランドを好み、自動車をどのように使うのかを数年間にわたって研究してきた。車からゴルフ用品を取り出す様子、トランクに食料品を積み込む様子、毛皮を着た女性が車を乗り降りする様子などだ。
ジェネシスが中国だけでなく、全世界の消費者をとりこにするためには、技術力はもちろん、緻密な市場分析に基づくジェネシスだけの「プラスアルファ」が必要だ。さもないと、ジェネシスには結局、現代車にすぎないという、からかい交じりの反応が出るかもしれない。
ピョン・ジヒ記者