韓国産業通商資源部(省に相当。産業部)が2017年12月から翌年6月にかけて、現政権の脱原発政策に批判的な市民団体などの動向報告書およそ10件を作成していたことが22日までに分かった。この動向報告書は2019年12月1日、監査院の「月城1号機」監査の期間に産業部公務員らが削除した530件の文献の中に含まれていた。法曹界からは「韓国政府の部処(省庁に相当)が民間団体を査察したのではないか」という指摘の声が上がった。大田地検は来週中に行う白雲揆(ペク・ウンギュ)元産業部長官を出頭させ、月城1号機の経済性捏造(ねつぞう)や内部資料破棄の指示を行ったかどうかと共に、この動向報告書の作成に介入したかどうかも調べる予定だ。

 本紙の取材を総合すると、当時産業部は▲エネルギー転換関連地域および利害関係者動向▲原子力政策連帯発足および動向報告▲原発輸出国民行動大会動向報告▲原発輸出国民統合大会動向▲韓国水力原子力労組関連訴訟動向など、およそ10件の動向報告書を作成した。

 これらの文献が作成された2017年12月から2018年6月までの期間は、文在寅(ムン・ジェイン)政権がまさに脱原発政策を公式化した時期に当たる。韓国政府は2017年10月に脱原発ロードマップ、同年12月には第8次電力需給基本計画を発表した。当時作成された動向報告書で言及があった諸団体と韓国水力原子力(韓水原)労組は、原発輸出への支障など原発産業に及ぼす影響を懸念して脱原発政策に強く反対していた人々だ。韓水原労組の関係者は「産業部が2017年末から、青瓦台(韓国大統領府)の基調に合わせて原発関連団体の動向情報を集めて把握していたらしい」と語った。

 これらの動向報告書は2019年12月1日、監査院の本格監査を前に、産業部のキム元事務官が同部原電産業政策課オフィスで530件の各種ファイルを消去する過程で一緒に削除された。検察は、デジタル・フォレンシック(デジタル鑑識)や関係者の取り調べなどを通して内容の把握を試みているという。

 法曹関係者は「国家情報院(韓国の情報機関)や国軍機務司令部(韓国軍の情報部隊)のセウォル号遺族動向報告文書に適用された論理からすると、産業部の動向報告書も民間に対する査察に該当し得る」と語った。検察のセウォル号惨事特別捜査団は今月19日、セウォル号遺族動向報告文書について、嫌疑なしの結論を下した。だが「4・16セウォル号惨事特別調査委員会」などは依然として「査察に当たる」と主張している。

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