元国会議員・金元雄(キム・ウォンウン)氏が会長を務めている光復会(独立運動家とその遺族の団体)がこのほど秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官に「独立運動家・崔在亨(チェ・ジェヒョン)賞」を授与した。「親日派財産の国家帰属のために努力した」という理由からだ。光復会は8カ月前に同賞を作り、これまで与党・共に民主党の政治家3人に相次いで賞を与えた。「崔在亨記念事業会」が既に同じ名称の賞を制定しているのに、光復会はこれらと協議もせずに同じ名称の賞を作った。記念事業会側が抗議すると、「会員たちが押し掛けると意気込んでいる」と言ったという。名前を横取りしただけでは飽きたらず、脅迫までしたのだ。

 光復会は2019年に金元雄氏が会長に就任して以降、「我々の時代独立軍」「丹斎・申采浩(シン・チェホ)賞」「歴史正義実践政治家・ジャーナリスト・企業家賞」など、さまざまな名目の賞を作り、与党系の人物らに集中的に授与してきた。団体受賞を除けば、受賞者44人のうち64%が共に民主党関係者だという。薛勲(ソル・フン)議員、禹元植(ウ・ウォンシク)議員、安敏錫(アン・ミンソク)議員、殷秀美(ウン・スミ)城南市長らが受賞した。芸術家・市民運動家の受賞も左派に偏っている。光復会は与党系や左派関係者に多数の賞を贈る団体になってしまった。金元雄氏は独立運動家の名を売って自分の政治をしているのだ。

 光復会の団体設立目的は独立先烈(独立のために準じた烈士)の犠牲精神継承と民族精気宣揚だ。国民を一つになるようにすることに意義がある。このため、光復会の定款からして特定の政党を支持・反対するなどの政治活動は行えないようになっている。ところが、金元雄氏の就任以降、光復会は同氏主導の政治団体になってしまった。国を分裂させることにおいて先頭に立っているのだ。

 金元雄氏は光復節(日本による植民地支配からの独立を記念する日、8月15日)記念式典の場で「李承晩(イ・スンマン=元大統領)は親日派と結託した」と事実と異なる主張をし、愛国歌(韓国国歌)の作曲家・安益泰(アン・イクテ)に民族反逆者という烙印(らくいん)を押した。6・25戦争(朝鮮戦争)の英雄・白善燁(ペク・ソンヨプ)将軍の顕忠院(国立墓地)埋葬を阻止するとして霊きゅう車を遮った。白善燁将軍を高く評価した在韓米軍司令官を本国に召還せよという書簡をホワイトハウスに送ったこともあった。その金元雄氏が6・25の南侵に手柄を立て、金日成(キム・イルソン)勲章を贈られた金元鳳(キム・ウォンボン)の叙勲を主張し、国家基幹施設の破壊謀議で収監中の李石基(イ・ソッキ)元統合進歩党議員を称賛した。「朴槿恵(パク・クネ)よりも独立運動家の一族として育った金正恩(キム・ジョンウン)の方がましだ」とも言った。北朝鮮の核開発を擁護し、米軍撤収と韓米同盟放棄を主張した。

 金元雄氏は維新時代(朴正煕〈パク・チョンヒ〉政権時代)の民主共和党党僚を皮切りに、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の民主正義党では局長まで務めた。その後、民主党、ハンナラ党、ヨルリン・ウリ党と渡り歩いた。それでいながら、「生計のため」と言った。現政権が光復会会長の座を与えるや、今では従北(北朝鮮に従う)行動まで見せている。現政権が反日竹槍歌(竹槍を手に日本軍に反乱を起こした東学軍を題材にした歌)を歌い、政治扇動をしている裏では、こうした人々が「独立運動」や「光復」を売り、自分のために政治利用していたのだ。

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