崔康旭(チェ・ガンウク)開かれたウリ党代表が「チャンネルA事件」に関する虚偽事実を流布したとして、検察に在宅起訴された。チャンネルA事件は政権の不正を捜査する尹錫悦(ユン・ソクヨル)と韓東勲(ハン・ドンフン)検事長を追放するため、政権と詐欺師、御用放送局が無理にでっち上げた事件だという事実が改めて確認されている。

 チャンネルA事件は昨年3月のMBCの報道が発端だった。チャンネルA記者と韓検事長が手を結び、金融詐欺で収監されていた元シルラジェン大株主に盧武鉉(ノ・ムヒョン)財団の柳時敏(ユ・シミン)理事長の不正について語るように強要したという内容だった。MBCに情報提供した人物は民主党支持の詐欺前科者だった。情報提供者は特ダネがあるかのようにチャンネルA記者を引き込んだ。MBCは情報提供者と記者が会う場面をひそかに撮影した。情報提供者はMBCの報道の数日前から「ぶっ壊そう、尹錫悦の犬検察どもを」などと語っていた。

 青瓦台秘書官出身の崔代表とチョ・グク元法務部長官率いる法務部で人権局長を務めた同党の黄希錫(ファン・ヒソク)最高委員もMBCによる報道の9日前、「今から二人で作戦に入る」と述べていた。MBCの報道直後、与党は「(政権の不正を捜査する)検察とメディアが総選挙に影響を与えようと、柳時敏氏(に関連する虚偽の)報道を企てた」などと攻勢をかけた。

 秋美愛(チュ・ミエ)前法務部長官はその根拠なき疑惑を既成事実化し、尹総長に対し、捜査指揮権の剥奪、職務停止、懲戒の措置を相次いで取った。秋前長官は「(検察・メディア癒着の)証拠があふれている」と語った。しかし、事件の捜査と裁判で「あふれている」はずの証拠は出てこなかった。秋前長官は韓検事長の携帯電話のパスワードを強制的に解除する法律を制定することも指示した。

 事件の捜査は大統領の手足である李盛潤(イ・ソンユン)ソウル中央地検長が担当した。捜査班は韓検事長に暴行まで加えた。検事10人余りが4カ月にわたって捜査したが、チャンネルA記者だけを聞いたこともない「強要未遂罪」で起訴した。韓検事長が記者に「柳時敏に関心はない」と語ったことは訴状に書かれなかった。共謀関係に反論する重要な証拠だが、わざと記載しなかったのだ。それでも、裁判所は「検察幹部と組み」などと、韓検事長の共謀があったと早合点した。逮捕状の審査を担当する判事としてはあり得ない行動だった。

 チャンネルA記者が逮捕された翌日、KBSは「韓検事長がチャンネルA記者と会い、柳時敏氏の株価操作関与疑惑の取り上げることを共謀した」と報じた。誤報だった。KBSは翌日謝罪した。その後、柳時敏氏はMBCラジオに出演し、「韓検事長が(盧武鉉財団の)口座を見た可能性が高い」と発言した。それも虚偽だった。最近柳時敏氏は発言が事実ではなかったとして謝罪した。遅ればせながら法的責任を逃れようとした格好だ。

 チャンネルA事件の全貌はまだ明らかになっていない。検察は崔代表とともに「作戦に入る」と発言した同党最高委員、MBCへの情報提供者を起訴しなかった。検察幹部がKBSに虚偽の供述記録を流した疑惑も究明されていない。捜査班は韓検事長について、嫌疑なしという結論を下したが、李盛潤検事長は数カ月も決裁を先延ばしにしている。韓検事長は左遷され、韓検事長を暴行した検事は栄転した。チャンネルA事件は徹底した捜査で責任ある人物を全て厳罰に処すべきだ。政権が自分たちの不正を隠すため、詐欺師と組み、御用放送局を動員するといった工作が再び起きてはならない。

ホーム TOP