中国から飛来する黄砂が2日連続で韓国全土を覆う中、中国政府が韓国を念頭に「今回の黄砂はモンゴル発」と主張し「無用なメディア戦は慎むべきだ」とくぎを刺した。これに対して韓国政府は何度も「今回韓半島に飛来した黄砂は中国発がほとんどだ」と反論している。

 中国外交部(省に相当)の趙立堅・報道官は16日のブリーフィングで「中国は単に(黄砂の)通過点にすぎない」とした上で上記のように述べた。中国気象局国家気象センターの宋連春・主任も17日に国営メディアを通じ「黄砂の根源はモンゴルだ」と強調した。中国メディアはこの日「韓国は黄砂や粒子状物質が発生するたびに中国をいけにえにする」と報じた。「中国も黄砂の被害を受けているのに、韓国政府とメディアは不当に中国ばかりを取り上げている」ということだ。

 しかし韓国の千里眼2A衛星によって撮影された衛星写真を韓国気象庁が分析したところ、今月14日にモンゴルから飛来した黄砂は15日に中国のゴビ砂漠と内モンゴル高原発のものと合流し、規模を大きくしてその多くが北京に、また一部は韓国に飛来した。韓国の国立気象科学院の関係者は「北京の黄砂は主にモンゴルと内モンゴルから飛来したものだ。しかし韓半島にまで飛んでくる黄砂は中国領土の満州と内モンゴルからのものが多いことが観測によって分かっている」と説明した。

 この関係者はさらに「韓半島に影響を及ぼす黄砂のおよそ80%はゴビ砂漠と内モンゴル高原からで、西風に乗って韓国に飛来している。残りの約15-20%は満州を含む中国北東部で発生し、北風に乗ってくる」とも明らかにした。米航空宇宙局(NASA)が今月15日に人工衛星アクアで撮影した衛星写真には、中国北西部のタクラマカン砂漠付近で発生した黄砂が北京などを覆う様子が撮影されていた。NASAは「黄砂は強風に乗って東に数千キロ移動した」と説明した。

 前日に続きこの日も韓国では全国各地で粒子状物質(PM)10の濃度が1平方メートル当たり100マイクログラム前後を記録するなど、黄砂現象が続いた。国立環境科学院は「18日にもソウル、京畿道南部、江原道東部、忠清南道、大邱、慶尚北道では黄砂の濃度が『悪い(高い)』、仁川、江原道西部、釜山、蔚山、済州などでも午前中は一時的に『悪い』のレベルにまで上がりそうだ」とする予報を発表した。

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