朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長が起こしたセクハラ(性的嫌がらせ)犯罪の被害者が17日の記者会見で、「朴前市長の威力は依然として強い」と言った。朴前市長が自ら命を絶った後も、その過ちを認めない勢力が今も事実を歪曲(わいきょく)し、被害者を非難する「2次加害」を無慈悲にも続けているということだ。被害者は「加害者と被害者の場所が入れ替わった」「矢を私に向ける行動はもうやめてほしい」と言った。だが、親文(親・文在寅〈ムン・ジェイン〉大統領)系ネットユーザーたちは被害者に対して「朴元淳死亡加害者」「娼婦」「汚い×」などだけでなく、「朴前市長支持がまとまる導火線(きっかけ)になるだろう」とも書いている。

 朴前市長は被害者に対してなんと4年間もセクハラした。寝室に呼んで体を接触させ、下着姿の写真や卑わいなテキストメッセージを送った。事実でないなら、朴前市長は自殺しなかっただろう。被害者はセクハラ告訴状を正式に出す前に2次加害を受けた。提訴されることが朴前市長に事前に漏えいしたのだ。朴前市長が自殺すると、警察と検察は5カ月以上、捜査をもみつぶした揚げ句、セクハラ・セクハラほう助と提訴事実の漏えいの両方に免罪符を与えた。朴前市長の側近である「ソウル市庁の6階の人々」のセクハラほう助も嫌疑なしとなった。セクハラ提訴の事実を事前に漏らした疑いが濃い女性団体出身の与党・共に民主党議員、大統領の手先のソウル中央地検長らもすべて嫌疑なしになった。検察と警察が虐待の被害者に2次加害をしたということだ。

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 加害者は全員消え、被害者だけが残り、2次加害が図を超えている。「ソウル市庁の6階の人々」は「4年にわたる(朴前市長の)性暴力という主張は真実味を疑わざるを得ない」と言った。親文系市民団体は被害者を殺人罪で告発するという。「被害者は朴前市長を死なせようとわざと告訴した殺人者だ」という不合理な主張だった。被害者と家族は「どうか2次加害をやめてほしい」と絶叫したが、無駄だった。

 青瓦台と与党も2次加害に加担した。文大統領自身が党代表を務めていた時に作成した党憲を同党は破ったし、所属自治体トップの性犯罪により行われることになったソウル市長・釜山市長補欠選挙に候補者を出した。もし、共に民主党がソウル市長選挙で勝利するようなことがあれば、それ以上に被害者を踏みにじることはないだろう。朴前市長が自殺すると、共に民主党は「あなた様の志を忘れません」というプラカードをソウル全域に掲げた。同党の女性議員たちは被害者を「被害呼訴人(被害があったと主張している人)」という奇怪な単語で呼んだ。この先頭に立った議員3人は共に民主党ソウル市長選候補の共同選対本部長や広報を務めている。被害者は「『被害呼訴人』という言葉で歪曲(わいきょく)し、『あなた様の志を忘れません』という言葉で私を圧倒した」と言った。加害者側がうなり声を上げ、被害者は息を殺して暮らさなければならないといのは、朴元淳前市長のセクハラに限ったことだろうか。過ちを犯した人々が頭をもたげて怒るという居直りは4年間ずっと繰り返されている。

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