鄭夢奎(チョン・モンギュ)大韓サッカー協会会長が「横浜惨事(韓日戦に0-3で敗戦したこと)」に関して謝罪文を発表した。

 鄭会長は26日、「国民の皆さんに申し上げる文」で、「昨日行われた韓日戦の敗戦に失望したサッカーファン、サッカー関係者、国民の皆様に非常に恐縮に思っている」「競技力不足で大変なご心配をおかけした点について心から謝罪の言葉を申し上げる」と述べた。そして、「今回の敗戦についてベント監督にだけ非難が集まっているのは穏当ではないと考えている。特に最高のコンデイションで試合ができるよう完ぺきなサポートができなかった大韓サッカー協会の責任の方がいっそう大きい」「チームや指導者など現場の声にさらに耳を傾けて対話していく。6月から始まるワールドカップ(W杯)予選では、喜びと希望を与えられる代表になれるように万全を期したい」と述べた。

 大韓サッカー協会の会長が異例の謝罪文を発表するほど、ファンらは今回の韓日戦に激怒している。同協会は新型コロナウイルス感染防止のため海外組の選手の出場が難しいのにもかかわらず、事前にきちんと把握することなく、日本からの親善試合の要求を受け入れた。まだ定着していなかったパウロ・ベント韓国代表監督のサッカーは屈辱的な負けを喫してしまった。

■海外組選手の管理は協会の責任

 大韓サッカー協会関係者は26日、「ベント監督が韓日戦の予備エントリーを出した今月10日以降、協会として海外組の招集が可能かどうか調べてみた」と言った。協会は、日本が親善試合を提案した時は動かなかった。事前調査が遅れたせいで、選手選考に困難が伴った。

 結局、ベント監督が15日に発表したリスト(24人)には、短いパスを重視する「ベント・ボール」に適した海外組がいなかった。ソン・フンミン=トッテナム=、黄義助(ファン・ウィジョ)=ボルドー=、黄喜燦(ファン・ヒチャン)=ライプツィヒ=ら、ケガや新型コロナウイルス感染防止などでエントリーできなかった選手は10人を上回る。

 明知大学のシン・ムンソン教授は「主要選手に関する事前調査は当然、協会がしなければならない。協会がなぜ何の準備もなしに親善試合を受け入れたのか理解できない」と語った。SPOTV解説者のイム・ヒョンチョル氏は「ある意味、W杯と同じくらい重要なのが韓日戦だ。完成形に近い日本代表とあえて親善試合をして気をくじかれる必要があったのか疑問だ」とした。

 こうした疑問に対する大韓サッカー協会の答えは「韓国代表チームを統括するベント監督が親善試合を望んだ」というものだった。「ベント監督が受諾したとしても、無理な韓日戦を協会側で再考する必要があったのではないか」という質問には、「はじめから負けることは考えていない。チームとして学ぶことがあるので、やるしかなかった」と答えた。何の見解も示さなかった協会が同日午後、謝罪文を出したのは、本紙のこうした質問の後だった。

■「ベント・サッカー」はいつになったら実るのか

 ベント監督は就任して3年5カ月になるが、新型コロナ問題でまだ完全な「自分のサッカー」ができていない。ベント監督は2019年1月に奇誠庸(キ・ソンヨン、32)=FCソウル=と具慈哲(ク・ジャチョル、32)=カタール・アル・ガラファ=が代表を引退すると、ソン・フンミン(28)を中心に新チームを組もうとした。2019年のアジアサッカー連盟(AFC)アジアカップで黄仁範(ファン・インボム、24)=ルビン・カザン=、キム・ミンジェ(24)=北京国安=ら新鋭を多数使って実験した。ところが、新型コロナ問題で世代交代の時計が止まった。昨年のAマッチ(国家対抗戦)はメキシコ(2-3で敗戦)、カタール(2-1で勝利)との親善試合だけだった。その直後の試合が今回の韓日戦だった。

 韓日戦惨敗によりベント監督に対して非難の矢が向けられている。専門家は「ベント監督の耳を開かせるべきだ」と指摘する。KBS解説者のハン・ジュンヒ氏は「特定の選手にばかりこだわるベント監督の『ワンマン起用』は責任が大きい」「代表チームの韓国人コーチが立ち上がり、選手を推薦してもらうなど、積極的に意思疎通を図らなければならない」と話す。大韓サッカー協会が「調整役」をするべきだという意見もある。KBS N解説者のキム・デギル氏は「協会がいろいろ助言すれば干渉になる。助言が少なければ現在のように監督の考え通りにやってしまう。協会技術委員会がこうした点を解決すべきだ」と語った。

イ・ヨンビン記者

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