米国のバイデン大統領が27日の記者会見で北朝鮮に警告を行ったことを受け、北朝鮮が「わが国の自衛権に対する露骨な侵害であり挑発だ」と反発した。北朝鮮は先週の巡航ミサイル発射と新型戦術誘導弾発射により挑発のレベルを高め、バイデン政権の出方をうかがっているが、とりわけ今週ワシントンで予定されている韓米日3カ国の安保室長による対面の会議を前後した時期に「新型潜水艦によるSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の試験発射など新たな挑発に乗り出すのでは」との見方も出ている。

 北朝鮮は李炳哲(リ・ビョンチョル)労働党中央軍事委員会副委員長兼軍需工業担当秘書の名義で「米国の新政権は明らかに最初の始まりを間違えた」「われわれは決して誰かの関心を引くとか、政策に影響を及ぼすために武器を開発しているのではない」との談話を発表した。李秘書は金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に続いて軍での序列が2位だ。バイデン大統領は今月25日(現地時間)に行われた就任後最初の記者会見で「北朝鮮による弾道ミサイル発射は国連安保理の対北決議1718号に違反しており、北朝鮮が緊張を高めることを選択するのであれば相応の対応を取るだろう」と警告したが、今回の北朝鮮の談話はこれに対抗したものだ。李秘書はさらに「米国は良くないことに直面するかもしれない」として新たな挑発も予告している。

 米国の北朝鮮専門メディア「38ノース」は今月24日、北朝鮮の咸鏡北道新浦造船所を撮影した衛星写真を分析し「北朝鮮が数年かけて建造を続けている新たな弾道ミサイル潜水艦がほぼ完成し、近い将来進水する可能性が考えられる」と報じた。潜水艦進水施設のすぐ近くにドライドックが移されたことがその根拠だという。ドライドックには船舶の建造や修理のために海水の給排水装置などが設置されている。これに先立ち韓国の情報機関である国家情報院も昨年11月、「北朝鮮は弾道ミサイルの搭載が可能な潜水艦2隻を新たに建造している」と明らかにした。

 青瓦台(韓国大統領府)の徐薫(ソ・フン)国家安保室長は今週ワシントンでホワイトハウスのサリバン国家安保補佐官、日本の北村滋・国家安全保障局長と共に韓米日安保室長会議に出席する予定だ。専門家は「北朝鮮はバイデン政権の新たな対北朝鮮政策を最終的に調整する今回の会議を念頭に、別の挑発を強行する可能性がある」と予想している。

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