シンガポールの韓国系仮想通貨業者が発行した仮想通貨が20日、韓国国内の取引所に上場され、1076倍も高騰する事態となった。韓国政府が前日、仮想通貨を巡る不法行為を大規模に取り締まると表明したが、狂気的な投機を阻むことはできなかった。

 

 仮想通貨取引所ビットサム(Bithumb)によると、同日午後2時半に50ウォンで取引が始まった「アロワナトークン(ARW)」は午後3時1分に5万3800ウォンまで上昇した。わずか30分で1076倍という異例の上昇率を示した格好だ。価格はそれ以降反落したが、午後9時時点でも413倍の2万660ウォン前後で取引された。

 ARWはアロワナテクという業者が新たな金取引環境を構築するために発行した仮想通貨だ。最高経営責任者(CEO)のユン・ソンホ代表をはじめ、経営陣は全員が韓国人だ。同社はARWを使える仮想現実型のショッピングモールを開設し、そこでさまざまな貴金属を売買できるようにする計画だ。ARWは最近、ソフトウエア企業「ハングルとコンピューターグループ」の系列企業であるハンコム・ウィズが出資したことで話題になった。

 韓国科学技術院(KAIST)のイ・ビョンテ教授は「ARWは価値を見て参入したというよりも、ビットコインがあまりに高騰し、機会を逃したと考えた国内投資家が殺到したものだ。とても危険な現象だ」と指摘した。

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