コロナパンデミックの余波で増える「巣ごもり族」。そのおかげで、日本の漫画市場が歴代最高の売り上げを記録した。

 朝日新聞は3日、出版科学研究所の発表を引用し、日本国内における2020年のコミック売り上げ(推定値)は前年より23%増の6126億円に上ると報じた。これは、同研究所が統計を取り始めた1978年以降、歴代最高の記録になる。日本のコミック売り上げ規模は1995年の5874億円がピークで、2014年以降は4000億円代で足踏みしていた。

 

 大ヒットの「一等功臣」はウェブ漫画・イーブック(ebook)などいわゆる「電子コミック」だ。スマートフォン・タブレットPCなどで見ることのできる電子コミックの売り上げは、昨年3420億円に達して前年比31.9%増となった。特異な点は、過去19年間減少傾向にあった紙媒体のコミックの売り上げ規模も反騰したということ。昨年の紙媒体のコミック売り上げは前年(2387億円)より13.4%増の2706億円となった。

 出版科学研究所は、昨年の日本のコミック売り上げが急増した背景として、コロナパンデミックと漫画『鬼滅の刃』効果を挙げている。コロナのせいで家で過ごす時間が増えたことにより、コミックやウェブ漫画などを読む人もおのずと増えた-というわけだ。加えて昨年、日本社会でブームを引き起こした劇場版アニメ作品『鬼滅の刃』のおかげで、同作の単行本を求める人も増えた。この過程で他のコミックの単行本も恩恵を受けた、という分析がなされている。朝日新聞は「『鬼滅の刃』の単行本を買いに書店を訪れる人が増え、『鬼滅の刃』以外の紙のコミック単行本の売り上げも前年より増加した」と伝えた。

 『鬼滅の刃』は2016年から漫画雑誌で連載が始まり、これまでに単行本(全23巻)の累計発行部数が1億5000万部を超えているヒット作だ。昨年10月に公開された劇場版アニメ作品は、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』を上回る観客動員の日本新記録を打ち立てた。同作は韓国でも公開され、観客187万人を動員した。

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