コロナ渦の影響で遠隔授業と対面授業が並行して行われた昨年、基礎的な学力レベルに到達できなかった児童生徒の割合が大きく上昇していたことが韓国政府の発表した公式統計によって明らかになった。韓国教育部(省に相当)は「学習が十分に行われなかったことについては深刻に受け止めている」とした上で、2学期からの初等学校(小学校)、中学校、高校における対面授業の全面再開をその対策として掲げた。教育界からは「学力の低下をコロナ渦のせいだけにしてはならない」「政府が学力向上などの責任を怠ったことも原因だ」などの指摘が相次いでいる。

■英語と数学で基礎学力が不十分な割合が過去最高に

 教育部と韓国教育課程評価院は全国の高校2年生と中学3年生全体のおよそ3%を標本として424校2万1179人を対象に国語、数学、英語の学力を診断する「2020年国家水準学業成就度評価」を昨年11月に行い、その結果を2日に公表した。学力評価は公教育の成果を確認するため2000年から毎年行われている。08年から16年までは全ての学校を対象に行われたが、17年度からは標本調査の形で行われている。全国教職員労働組合(全教組)と全教組に近い教育監らが「全数評価は一種の序列付けになる」との理由で反対したためだ。

 韓国教育部の兪銀恵(ユ・ウンヘ)長官は2020年の成就度評価の結果について「中学と高校において国語、英語、数学の全科目で『基礎学力未達(1水準)』の割合が増加し、『普通学力(3水準)』以上の割合は前年に比べて減少した」と説明した。さらに「教科に対する自信、興味、学習意欲なども全般的に低下していることが分かった」「学習が不十分だったことについては深刻に受け止めている」とも述べた。

 中学3年生の英語の場合、「普通学力(3水準)」以上の割合は2019年には72.6%だったが、昨年は63.9%に低下した。同じ期間に高校2年生の国語も77.5%から69.8%に下がった。これに対して「基礎学力未達(1水準)」の割合は中3英語では3.3%から7.1%に、高2英語では3.6%から8.6%へとその割合は2倍以上も増えた。授業の内容をしっかりと理解する生徒の割合が減少している一方、学習についていけない生徒が急増していることから「学力格差が深刻になっている」との見方も出ている。

 とりわけ数学の「基礎学力未達」の割合は中3では13.4%、高2は13.5%となり、標本調査と全数調査の双方で過去最も高かった。文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足した2017年には数学における「基礎学力未達」の割合は中学生で7.1%、高校では9.9%だったが、これにコロナ渦の影響も重なり3年で大きく増加したのだ。

■「コロナ渦のせいにせず全数評価を」

 教育部は「コロナ渦によって学習が十分に行われず、学習に対する自信と意欲が低下し、学業成就度が低下した」と分析している。昨年の登校日数は前年度のおよそ50%ほどにすぎず、対面授業の代わりに遠隔授業を行うのも限界があるということだ。教育部は「今回学習が不十分となった問題を克服するため、今月末までに総合的な対策を取りまとめる計画だ」と説明した。

 これに対して革新系野党・正義党の政策委員会は「遠隔授業を未来の教育などと賞賛していたのに、その結果として学習が不十分になった」「教育部が今も総合的な対策を準備できないのは遺憾」とのコメントを発表した。教育部が学業成就度評価の結果を把握したのは遅くとも4月ごろと推定されるが、それから2カ月にわたり総合的な対策を検討もせず何をしていたのかと批判したのだ。

 韓国教員団体総連合会(韓国教総)は「過去4年間、基礎学力未達の割合は2-3倍に増加した」「現政権と教育監たちが国家次元での学力評価を拒否、あるいは軽視したため、初等・中・高校の全てで学力低下が深刻になっている」と主張した。「コロナ渦の影響という弁解は無責任」という意味だ。韓国教総はさらに「全ての学校と児童生徒たちが参加する一貫した客観的な学力診断システムを準備せよ」とも求めた。

 教育界からは今回の学力評価について「中学生と高校生が対象となった点」を取り上げ「調査が行われなかった初等学校児童の基礎学力の低下はもっと深刻だろう」と懸念する声も上がっている。昨年は2桁の掛け算や割り算、さらには分数の概念が理解できない初等学生が多かったが、このような学力低下の問題は今も国家次元での公式統計では把握できていない。

郭守根(クァク・スグン)記者

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