▲中国国営の中国中央テレビキャプチャー

 サムスン電子(005930)のワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds Pro(ギャラクシー・バズ・プロ)」を着用して耳に炎症(外耳道炎)になったという話が3カ月以上飛び交っている。最近は中国国営放送とこれを引用した現地の情報技術(IT)専門メディアまで関連コンテンツを報告、議論が海外に拡大している。

 9日(以下、現地時間)、中国国営の中国中央テレビは「天下財経」というニュースコーナーで、「サムスンの新型ワイヤレスイヤホンが耳の炎症を引き起こすと疑われている(三星新款无线耳机疑似引发耳部炎症)」というタイトルの3分54秒間のレポートを出した。

 中国中央テレビは「最近、韓国の消費者の間では、サムスンの新型ワイヤレスイヤホン(Galaxy Buds Pro)を着用した後、耳から膿(うみ)が出て、かさぶたになるなどの症状が出ているとの声が少なくない」「中国のサムスン・ギャラクシー・コミュニティーやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)『微博(ウェイボ-)』でも同様の問題が取りざたされている」と報じた。

 それらの症状の原因について、中国中央テレビは「業界では、このような問題を『イヤーチップのサイズが大きくなって、耳の皮膚を刺激したため』と見ている」としている。サムスン電子が外部の騒音を遮断する機能「ノイズキャンセリング」の効果を高めるため、イヤーチップをほかのワイヤレスイヤホンよりも大きくした結果、皮膚に加わる圧力や、汗による湿気が上がって炎症が発生しやすくなった可能性があると主張しているものだ。

 中国中央テレビの報道後、この1週間にわたり「Gizchina(ギズチャイナ)」「IT Home(アイティー・ホーム)」など多数の中国ITメディアが中国中央テレビの報道を引用して同様の内容を報告した。これらのメディアは「イヤーチップを過度に大きく(too large)作ったのが原因とされる」「(ほかのワイヤレスイヤホンより)Galaxy Buds Proユーザー集団の方が耳の炎症関連の苦情が多いと見られる」と伝えた。

 サムスン電子は14日、ChosunBizの電話取材に、「製品によって異なるサイズの複数のイヤーチップを提供しているため、イヤーチップのサイズが外耳道炎の原因だというのは正しくない主張だ」と反論した。ある関係者は「中国メディアはもともと我々を嫌っているので、このように(悪意を持って)書いたようだ」と話した。

 米国のITメディア「SamMobile(サムモバイル)」も10日、「サムスンのGalaxy Budsが耳の炎症を引き起こすという、少々異例の話が中国で飛び交っているが、中国に統制された放送である中国中央テレビを通じて報道されたものと見られる」「複数のサイズのイヤーチップがあるので、これ(イヤーチップのサイズ)が問題になり得るのかはっきりしない」と報道した。

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