▲李洛淵(イ・ナクヨン)元首相

 韓国与党の次期大統領候補者として名前が挙がっている李洛淵(イ・ナクヨン)元首相と丁世均(チョン・セギュン)元首相が連日過激な発言で自らの立場を鮮明に伝えている。普段から発言を節制することで知られる二人が最近になって「毒舌」とも言える発言を相次いで行う背景には、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を支持する勢力が大きな影響力を持つ党内予備選挙と関係があるとの見方が有力だ。次期大統領候補の中では京畿道の李在明(イ・ジェミョン)知事が党内で一歩リードしていることから、李洛淵氏と丁世均氏のいずれも熱心な支持層に訴えることで反転を狙っているということだ。

 丁世均氏は30日、東京オリンピック組織委員会が地図に独島を日本領土と表示したことを受け「日本の東京オリンピック参加に反対する」との考えを示した。丁世均氏はその数日前にも忠清南道地域で行われた市・道議員らとの懇談会で「日本による独島表示」と関連して「あいつら」「悪賢くずるい」「悪いやつら」などの言葉で批判した。普段から「ミスター・スマイル」と呼ばれるイメージとは異なる発言だった。かつて韓国与党・共に民主党の代表を務めた李洛淵氏もそれ以前から「日本が修正を拒否するのであれば、オリンピックのボイコットなど可能なあらゆる手段により断固として対処すべきだ」と発言していた。

 二人はチョ・グク元法務部(省に相当)長官の回顧録にも積極的に「共感する」という趣旨の考えを表明している。李洛淵氏は回顧録発行が公表された今月27日「家族が収監され、自ら島流しされたような時間を過ごしつつも、政治の激浪はその名を何度も話題にする」「チョ元長官が苦難の中で基盤を固めたわが政府の改革課題、とりわけ検察改革の完成に私も力をささげるだろう」と述べた。

 丁世均氏もその翌日の28日「チョ・グクの時間は歴史の大きな山だった」「公人という名で、あるいは検証という名で身ぐるみはがされ、傷だらけの家族の血で書いた本という言葉には胸が痛む」と発言した。

 首相経験者としてこれまで外交問題やチョ・グク事態について慎重な立場を示してきたのとは対照的だ。二人の発言を巡って与党の内外からは「いくら対日問題であったとしても、つい先日まで首相を経験した人物としては発言が過激だ」との指摘も出ている。

 共に民主党のある関係者は「来月には本格化する大統領選挙候補を選ぶ予備選挙を二人は意識しているようだ」「党の流れが反映される予備選挙で李在明知事との違いを明確にするためにも、李洛淵氏と丁世均氏はどちらも『チョ・グク』を引き入れるしかないだろう」とコメントした。

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