フランスとドイツがそろって、アフリカにおける過去の誤りについて責任を認めた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は先月、1994年のルワンダ大虐殺に関して「当時フランスは(虐殺を行った)ルワンダ政権の側におり、ルワンダ国民に及ぼした苦痛を認める」と発言した。するとドイツのハイコ・マース外相は、旧植民地のナミビアで1904年から1908年にかけて繰り広げられた大虐殺について「ドイツが蛮行を犯したということを公式に認める」と発表した。

-なぜフランスとドイツが同時に過去史の誤りを認めたのか

 アフリカで欧州の影響力が急速に低下しており、親しくアプローチするための対策の一環だ。とりわけ、かつてアフリカに多数の植民地があったフランスは危機感を抱いている。サハラ砂漠以南でフランス語圏諸国の力が低下し、ケニヤ・タンザニア・ウガンダなど英語圏の国々の力が増す傾向にある。

-アフリカは現在、具体的にどのような状況なのか

 ルワンダはベルギーの植民地だったが、それによってフランス語が公用語になり、フランスが影響力を行使し続けてきた。だがルワンダが2009年、英連邦に加入して以降、フランスとは少しずつ遠ざかりつつある。ドイツはサハラ砂漠以南で影響力を強めたいと考え、ナミビア大虐殺を謝罪した。フランス・ドイツは中国・ロシアのアフリカ進出に加速度が付くことを防ごうと苦心している。

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-過去史を認めることは純然に対外関係が理由なのか

 欧州の国内政治ともからみあっている。フランスとドイツでは、移民流入に伴う反発感情に後押しされた極右政党の支持率がかなり高い。こうした状況で、中道右派に属するマクロン大統領とドイツのアンゲラ・メルケル首相が差別化を試みている-という解釈が出てきている。過去史の責任を認めることに反対する極右政党とは違う、という点を強調し、中道層の有権者の心をつかもうとしているわけだ。フランスは来年4月に大統領選挙、ドイツは今年9月に総選挙を控えている。

-欧州も中国・ロシアのように援助を増やせばいいのではないか

 容易ではない。中国はアフリカに巨額の資金を貸してやり、技術も移転して港湾・高速道路・鉄道を設置する大型SOC(社会間接資本)工事を展開している。支援の規模において欧州は、物量攻勢を展開する中国にはかなわない。ロシアは武器を西側より安い価格で売り渡し、アフリカにアプローチしている。フランス・ドイツは民主主義の価値を強調して、アフリカに口を出している。だが中国・ロシアは独裁政権やクーデターを起こした軍部にも「無差別支援」を行い、歓心を買っている。

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