ソウル市は14日、TBS(交通放送)ラジオの番組「金於俊(キム・オジュン)のニュース工場」が「歪曲(わいきょく)報道を行った」として、言論仲裁委員会に調停を申請し、訂正報道を求めた。金氏は最近の放送で相次いで、「呉世勲(オ・セフン)市長の就任後、ソウル市が疫学調査タスクフォース(TF)を解体した」という趣旨の主張を行ったが、疫学調査TFは元々存在していなかったとの趣旨だ。

 TBSはソウル市が出資する機関であり、市が今年だけで375億ウォン(約36億円)を支援している。しかし、呉市長はこれまでメディアに関与しているという批判を避けるため、TBSや金氏に対する言及を控えてきた。しかし、ソウルを中心にコロナ第4波の流行が本格化し、インターネット上で金氏の発言が広まり、与党の一部で「呉世勲責任論」が浮上したことから初めて公式に問題提起を行った格好だ。

 ソウル市は同日発表した声明で、今月9日と13日の「ニュース工場」で「ソウル市が3、4、5月よりも疫学調査官を減らした」「ソウル市の専任疫学調査TFを最近解体したが、呉市長(就任)以降にあったことだ。6月24日に解体した」などの発言があったとし、「全て事実と異なる」と反論した。

 ソウル市の疫学調査官は3月末時点の90人が4月には73人に減少したが、7月には75人に増え、似たような水準で維持されているというのが市側の主張だ。73人に減少したことについても、私立病院で一時的に疫学調査官として働いていた人が退職した、勤務期間が満了したなどの理由があったとした。呉市長は4月に就任した。市関係者はまた、「疫学調査TFは運営したことがなく、呉市長の就任後に解体されたことも事実ではない。疫学調査専任組織である疫学調査室は昨年7月から現在まで運営を続けている」と述べた。ソウル市は「歪曲報道でコロナ疫学調査に対する市民の信頼を低下させ、市公務員の犠牲と努力に対する評価が切り下げられた」と主張した。

 ソウル市の金度植(キム・ドシク)政務副市長も同日、記者団に対し、「ソウル市責任論」に全面的に反論した。金副市長は安哲秀(アン・チョルス)国民の党代表の最側近で、前回のソウル市長補選後、市の共同経営構想に基づき任命された人物だ。金副市長は「大統領が無知と無能だけでなく、『コロナのトンネルの終わりが見える』『ワクチン需給は円滑だ』などと言って緊張の糸まで緩めるたびに大流行が繰り返されてきたのは事実だ」とした上で、「コロナ対策失敗の責任をソウル市長に転嫁するのは『これ以上大統領を信頼できない』という告白に聞こえる」とも語った。

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