▲権純一元大法官(左側)と李在明京畿道知事

 権純一(クォン・スンイル)元大法官が火天大有で顧問を務めたことが論議を呼んだのは、権氏が大法院在職中、李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事の選挙法違反事件で有罪判決の破棄と審理差し戻しを主導したとされるからだ。火天大有は李知事が「設計」したという城南市大庄洞開発の事業母体で、数千億ウォンの利益を得ており、火天大有が李知事を起死回生させた権氏に月1500万ウォン(約140万円)を支払い、顧問として迎えた背景は釈然としない。

 

 これに関連し、2019年に李知事の選挙法違反事件が大法院で争われた際、大法院裁判研究官(判事)が「上告棄却(有罪)すべき事件」だとする報告書をいったん提出したものの、権氏ら一部が無罪意見を示したことから、「審理差し戻し(無罪)」の趣旨の検討報告書を追加で作成していたことが27日まで分かった。

 本紙の取材を総合すると、2019年10月、李知事の選挙法事件が大法院2部に割り当てられた直後、大法院裁判研究官が作成、提出した検討報告書は「選挙時の公職候補者による虚偽発言を厳正に処罰してきた大法院の判例に照らせば、異論らき上告棄却(有罪宣告)事件」だとする趣旨で作成されたという。

 李知事は2018年の地方選挙当時、テレビ討論会で「実兄の精神病院強制入院には関与していない」と発言した。二審はそれが虚偽事実の公表に当たり、罰金300万ウォンの有罪判決を言い渡した。報告書は二審判決を維持すべきとの内容だった。有罪判決が確定すれば、李知事は失職し、次期大統領選にも出馬できなくなる状況だった。

 ところが、事件が昨年6月、大法院長および大法官12人が参加する大法院全員合議体(大法廷)による審議に移り、ムードが変わり始めたという。複数の裁判所関係者は「権大法官(当時)が全員合議体での論議の過程で『李在明無罪』の論理3-4件を主張し、雰囲気を主導した。その後、『李在明無罪』という趣旨の追加報告書が作成された」と話した。権氏は当時、「主要先進国の法律の英文版を見ても、虚偽事実公表罪の公表は『publish(出版する)』と表記されている」とし、「選挙出版物ではないテレビ討論での発言にまで法律を適用するのは無理だ」と指摘し、その論理は大法院が李知事に無罪を言い渡した判決文にも盛り込まれた。

 これについて、権氏は最近周辺に対し、「全員合議体の論議初期に自分の意見(無罪)は少数意見だったが、その後大法官らがそれに共感し、大法院の無罪判決が出たにすぎない」と話したという。本紙は権氏の説明を聞こうとしたが、連絡が取れなかった。

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