今月17日の正式立候補直後に行われたあらゆる世論調査で、一般有権者と党員たちの圧倒的支持を受けた河野太郎行政改革相だが、29日に行われた自民党総裁選挙決選投票では合計429票のうち170票にとどまり、当選できなかった。読売・毎日など日本の各日刊紙は第1回投票では河野氏が1位になると見ていたが、第1回投票でも岸田文雄元外相より1票少ない255票で2位にとどまった。国民世論に最も近い党員・党友票は169票で最も多かったが、国会議員票は86票で3位だった。

 慰安婦問題に関する「河野談話」により韓国で広く知られている河野洋平元官房長官の息子で、「日本政界の異端児」と呼ばれる河野太郎氏は、今回の選挙でその可能性と限界を一度に見せたと評されている。同氏はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「ツイッター」のフォロワー数が200万人を超えるほど国民と積極的にコミュニケーションを取ってきたと高く評価されている。同氏は菅義偉内閣からアナログな「ハンコ文化」をなくし、国民と積極的にコミュニケーションを図る姿勢で「自民党内改革のアイコン」になった。行政・規制改革や新型コロナワクチン接種を担当し、急速にワクチン接種率を引き上げた功績により、次期首相候補ナンバー1に浮上した。若い有権者たちは同氏が日本の旧態依然とした政治を終わらせてくれることを望んだが、派閥政治の壁は高かった。河野氏の高い支持率に驚いた安倍晋三元首相ら自民党の「オールドボーイ」たちは「河野が自民党の総裁になっていいのか」と必死に「反河野」の流れを作り、同氏の夢をくじいた。今後も河野氏が派閥政治の壁を越えられない限り、同氏が首相として活動する姿は見られないとの見方が多い。

 安倍氏の支持を受けて「日本初の女性首相誕生」の可能性まで取りざたされるなど、旋風を巻き起こした高市早苗元総務相(60)は第1回投票で188票を得て3位になった。だが、国会議員票では114票を得て河野氏を上回り、日本の政界を驚かせた。国会議員たちは「自民党の変わり種」である河野氏よりも、靖国神社参拝を掲げた極右の高市氏を選んだという点で、日本の知識人社会は少なからず衝撃を受けた。

 高市旋風は日本政界の右傾化を示しているという分析もある。高市氏は今回の選挙で右翼・保守理念を代表できる人物だと注目されたが、同氏は日本のアジア侵略を謝罪した1995年の村山談話を批判し、修正を要求しているほか、靖国神社をよく参拝することでも知られる政治家でもある。高市氏は先月、総裁選出馬を発表た時は注目されなかった。だが、安倍氏が同氏を支持してからは流れが変わった。高市氏は1993年に安倍氏と共に衆議院議員に当選して以来、右派政治路線を共有してきた政治的同志で、次期総選挙で無視できない政治家に成長したと評されている。

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