韓国の輸出が過去最高を記録する中、貿易収支は赤字となる異例の状況が生じている。韓国産業通商資源部によると、昨年12月の輸出は607億ドルで2カ月連続で600億ドルを超えたが、貿易収支は前月の30億ドルの黒字から5億8600万ドルの赤字に転落した。貿易収支の赤字は2020年4月以来1年8カ月ぶりだ。

 

 輸出と貿易収支の動向が逆行する要因は「価格」だ。サプライチェーンの崩壊と需要増による急激なインフレで商品が高く売れるようになり、輸出額が大幅に増えたものの、同時に原油・ガスなどの原材料、部品・素材も値上がりし、利ざやが縮小した格好だ。11月の輸入物価上昇率(35.5%)は輸出物価上昇率(25.5%)を圧倒した。SK証券のアナリスト、アン・ヨンジン氏は「輸出指標だけをみて楽観せず、世界的な景気の流れを見ることが重要だ」と指摘した。

金智燮(キム・ジソプ)記者

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