2022年北京冬季五輪をきっかけに韓国国内で反中感情が爆発している。ショートトラックの試合で見られた中国びいきの不公平な判定が、韓国の反中感情に火を付けたのだ。

 7日に行われたショートトラック男子1000メートルのレースでは、黄大憲(ファン・デホン)、李俊瑞(イ・ジュンソ)ら韓国の選手が不可解な判定で失格になった。これで利益を得たのは中国の選手たちだった。中国の選手たちは決勝でも不可解な判定で金メダルと銀メダルを獲得。ツイッターのトレンドには「フェアプレー」「不公平な判定」「町内運動会」などの言葉が並んだ。「知っていてもひどい目に遭う」という慣用句の一部を「北京」に置き換えた北京五輪のパロディーロゴも拡散された。

 4日の開会式で韓服(韓国の伝統衣装)姿の女性が登場したことも物議を醸した。中国国内の56の少数民族を代表する一人として登場し、中国の国旗「五星紅旗」を手渡す役割を果たした。これをめぐり「韓服工程」との声が上がったが、政府の代表として北京五輪に出席した韓国文化体育観光部(省に相当)の黄熙(ファン・ヒ)長官が抗議をしなかったため、論争が拡大した。

 韓国の20-30代は中国に対する非好感度が高い。昨年11-12月に韓国リサーチに依頼して実施した世論調査では、「中国は韓国に否定的な影響を与えている」との回答(60.2%)が「肯定的な影響を与えている」(8.4%)を大きく上回った。19-29歳では72.0%が、30-39歳では68.1%が、「中国は韓国に否定的な影響を与えている」と回答した。

 北京五輪での理解できないシーンの数々は、韓国国内の反中感情を爆発させた。「公正性」に敏感に反応する20-30代の逆鱗(げきりん)に触れたという指摘もある。チョさん(29)は「これまで中国が好きだったというわけではないが、五輪を見て反中感情がより高まった」として「世界中の人々が見る五輪という場でもこんなことをするとは思わなかった」と話した。

 インターネットのコミュニティーサイトでは反中感情を爆発させる書き込みが相次いでいる。ある大規模コミュニティーサイトには「今回の五輪をきっかけに、反中感情は後戻りできない道を歩み始めた」という投稿があり、5000件近い「いいね」が付いた。また「日本は100年の敵、中国は1000年の敵」という言葉も再び注目を集めている。

 ある大学生コミュニティーサイトには「中国は滅亡してほしい」という書き込みがあり、数百人が「いいね」で同調した。反対意見には「お前はチャンケ(中国人に対する蔑称)か」とのコメントが付いた。中国人を名乗るユーザーが「中国人全員を恨まないでほしい」と書き込むと、「『一部』といっても『一部』が多すぎる」などと否定的なコメントが付いた。また、別のコミュニティーサイトでは「行き過ぎた反中は警戒すべき」との投稿に対し「自分の国に帰れ」「韓中関係をこじらせているのは中国」などのコメントが並んだ。

 一部のコミュニティーサイトでは「中国製アプリ不買運動」も起きている。中国で制作されたアプリ一覧をシェアし、使うべきでないと主張しているのだ。SNS(会員制交流サイト)アプリのティックトック(TikTok)、カメラアプリのユーライク(Ulike)、フェイスユー(FaceU)などの名前がアプリ一覧に並んだ。

オ・ギョンムク記者

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