▲趙賢東・韓国外交部第1次官(写真中央)が14日、ソウル市鍾路区のフォーシーズンズ・ホテルで開かれた韓中日3国協力国際フォーラムに出席し、ケイ海明・駐韓中国大使(左側)および相星孝一・駐韓日本大使と共に記念撮影をしているところ。/聯合ニュース

 韓中日3カ国の元職・現職高官らが14日、「国際保健危機や交易秩序変化など重大な時代的課題に向き合う今の3国協力は何よりも重要」と口をそろえた。3年にわたって続いている新型コロナのパンデミックや北朝鮮の挑発、米中対立などが重なる状況でも、3国協力が共同繁栄に欠かせないということで意見が一致したのだ。この日、韓中日3国協力事務局(TCS)がソウルで開催した国際フォーラムでは、元職・現職官僚のほかにも3カ国の外交・経済の専門家らがオンラインおよびオフラインで対面し、さまざまな相互協力の案を話し合った。

 金滉植(キム・ファンシク)元首相は基調演説で「信頼の欠乏こそ、北東アジアの平和と繁栄の最も大きな障害物」だとし「各国政府と政界は3国問題を国内政治と結び付けてはならず、長い目で冷静に扱わなければならない」と語った。続いて「知識人やNGO(非政府組織)も、歴史問題や領土紛争がより穏やかな雰囲気の中で解決の糸口を見いだせるように、積極的な役割を果たすべき」と指摘した。

 趙賢東(チョ・ヒョンドン)韓国外交部(省に相当)第1次官は「過去2年間開くことができていない韓中日首脳会議を、速やかに開催する必要性がある」と語った。韓中日が持ち回りで毎年開催してきた3カ国首脳会議は、2019年12月の中国・成都での会議を最後に開催されていない。趙次官は「3国関係発展のために首脳レベルで意志を固める必要がある」「第9次首脳会議の議長国として、韓中日首脳会議の成功裏の開催のため協力したい」とした。

 フォーラムでは、保健危機、グローバル・サプライ・チェーンの破壊といったコロナ時代の挑戦課題を巡って3カ国が顔を寄せ合い知恵を出さなければならない-という意見が披露された。相星孝一・駐韓日本大使は「未曽有の保健危機の事態を招いた新型コロナ、このところひんぱんに発生する自然災害は3カ国の国民の健康と生活に深刻な脅威を与えた」として3カ国間の連帯を強調した。金星煥(キム・ソンファン)元外交通商相は、サプライ・チェーンの再建に関連して「グローバル化の暫定的な休息期の後、サプライ・チェーンは地域別に形成される可能性が高い」とし「3国と東南アジア地域の大部分の国が参加するRCEP(地域的な包括的経済連携)が今年1月に発効しており、域内の交易は一層活性化するだろう」と語った。

 中国側の出席者らは、大枠で3国協力の必要性を強調しつつも、IPEF(インド太平洋経済枠組み)など米国主導の中国けん制構想をけん制するかのような発言を行った。ケイ海明・駐韓中国大使は「現在グローバル経済はコロナに足を引っ張られており、サプライ・チェーンの打撃、脱グローバル化の動向が台頭しつつある」とし「3国はより一層手を取り合って、地域とグローバル経済の回復に新たな動力を吹き込まなければならない」と語った。「脱グローバル化の動向」への言及は、米国がアジア諸国と中国のデカップリング(脱同調化)を意図しているという中国の認識を反映したものと解釈されている。楊燕怡・元駐EU(欧州連合)中国大使は、米国のインド太平洋戦略について「NATO(北大西洋条約機構)の東アジア版計画に過ぎない」とし「この地域を紛争、対立に追い込むことを目標にしている」と主張した。

 この日開かれたTCS国際フォーラムは、本紙と日本の朝日新聞、中国の人民日報が共同後援した。欧渤センTCS事務総長は、開会のあいさつで「TCSが3国協力のための学問研究、政治的分析などのための統合プラットフォームとして役立つことを望む」と語った。本紙の方相勲(パン・サンフン)社長は、祝辞で「新型コロナのパンデミックと経済危機が自国中心主義を強め、3国協力に試練をもたらしたが、3国協力の維持と発展は韓中日各国の生存と繁栄のための必須の条件」と語った。

キム・スンヒョン記者

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