国際総合
ガソリン価格急騰の韓国・微増の日本、政府・企業・消費者の行動パターンに見る両国の違いとは
2月28日にイラン戦争がぼっ発したのを機に国際原油価格が急騰し、韓国ではガソリンの価格が10日間で12.4%も上昇した。一方、同じ期間に日本のガソリン価格は2.1%の上昇にとどまった。日本は中東産原油の輸入割合が90%で、韓国(70%)より高い。それにもかかわらず、なぜ日本のガソリン価格は韓国と異なる動きをするのか。政府の税金政策、企業の価格策定、消費者の行動パターンの三つがいずれも異なるとの分析が示されている。
【グラフ】急騰する韓国のガソリン価格
日本のレギュラーガソリン価格は3月9日時点で1リットル当たり157.4円で、10日間で3.3円上昇した。韓国ウォンに換算するとそれぞれ1467ウォン、値上がり幅は31ウォン程度だ。価格自体も低めで上昇幅も小さかった。
その最大の理由は日本政府による税金政策だ。日本は2022年にロシアがウクライナを侵攻し、国際原油価格が急騰したとき、価格変動による石油元売り会社の原価負担を軽減するために、1リットル当たり最大35円支援するガソリン補助金政策を展開した。石油元売り会社が国際原油価格の変動を吸収することで、消費者価格を安定的に維持できたのだ。昨年末、高市早苗首相はガソリン暫定税率(25.1円)を廃止し、ガソリン価格を大幅に引き下げた。代わりに従来の価格変動補助金を縮小したが、基本の補助金(10円)制度は維持した。
日本政府は22年、ガソリン価格を最大175円(その後185円)程度で管理するという上限を設けたこともある。ただし法で強制するのではなく、政府の管理目標として設定し、企業に補助金を支給することで価格を誘導する政策を取った。
ガソリンにかかる税金の割合が韓国より大幅に低いことも消費者負担を軽くしている要因だ。韓国は油類税が引き下げられたものの、交通環境税・教育税・走行税の名目で760ウォンが定額で賦課される。これに関税・付加価値税(消費税に相当)が追加されると1903ウォン(1リットル当たりのガソリン価格、3月9日現在)のうち939ウォンが税金となり、価格全体の49%を占めることになる。日本はガソリン価格157円のうち税金は45.7円(ガソリン税・石油石炭税・消費税)で29%ほどだ。
企業側が国際原油価格を市場価格に反映させる慣行にも違いがある。韓国の石油元売り各社は国際原油価格を市場価格に反映する際、「上がるときは素早く、下がるときはゆっくり」という形で反映させるため、批判を浴びている。シンガポールの現物価格が基準だとしているが、各企業の裁量に大きく左右される。日本の石油元売り各社は急激な価格引き上げを避ける。政府から補助金をもらっている立場であるため、価格を引き上げるのが難しいのではないかとの見方もある。
消費者の行動パターンも異なっている。韓国ではガソリン価格が近く2000ウォンになる可能性があると報じられると、早くガソリンを入れておこうという「買い占め」が起きている。しかし日本ではガソリン価格は急には上がらないという経験があるため、買い占め現象は起きない。むしろ、ガソリン価格が上がれば車の運転を控えようという節約モードに入るため、石油会社側としては大幅な価格引き上げは消費控えにつながり売り上げが減少する懸念がある。
東京=柳井(リュ・ジョン)特派員