▲韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁

 退任を10日後に控えた韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は10日の会見で「後悔はない」と述べ、自らの通貨政策を高く評価した。ただし最近のドルに対するウォン安傾向が続く中での退任については残念な様子で、米国によるイラン攻撃など国外情勢をその原因として挙げた。

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 李昌鏞総裁は同日、任期中最後の金融通貨委員会通貨政策方向会議を開催し、直後に行われた会見で「金利の早期引き下げに対して『対応が遅れた』とか、また金利を上げなければ『ウォン安が進んだ』などと批判も受けたが、それでもよくやれたと考えている」と述べ、在任中の自らの実績を高く評価した。李昌鏞総裁は2024年10月に基準金利を0.25ポイント引き下げるなど通貨政策を見直した。一部では景気後退懸念を理由に「もっと早く金利を引き下げるべきだった」「時機を逸した」との批判もあったが、李昌鏞総裁は不動産価格の上昇や金融アンバランス拡大への懸念などを理由に自らの政策の正当性をあらためて強調した。

 また急激なウォン安を「西学ケミ(米国など海外株式に積極的に投資する韓国の個人投資家)の責任」とした、いわゆる「クールだから海外株式に投資しているらしい」などの発言が物議を醸したことについて「昨年11-12月には海外に巨額が投資されたのは事実だ」「大学生の答えを私の言葉のように報じられただけで、今考えても同じ結論になるだろう」と説明した。

 「ウォン安・物価高・低成長の課題をどれも解決できず足取りは重くないか」との質問には「次の仕事への期待で足取りは軽い」としながらも「為替が安定した状態で後任に引き継げれば良かったが、トランプ大統領による突然のイラン攻撃がマイナスに作用した」と述べ、心残りな様子だった。

 2022年4月に就任した李昌鏞総裁は就任直後から立て続けに金利引き上げ(0.50ポイント)を断行し、物価と資産のバブル対策に注力した。その後政治の混乱期には金利を下げて景気後退に対処した。また金融通貨委員が将来の予想金利を示す韓国独自の金利ドットチャート制度を導入し、通貨政策の予測可能性を向上させたと評価されている。

ソン・ビョンチョル記者

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