▲韓国からの武器導入計画について発表するポーランドのマリウシュ・ブワシュチャク副首相兼国防相。27日(現地時間)撮影。/聯合ニュース

 ポーランド政府は27日、韓国とK2戦車、K9自走砲、FA50軽攻撃機などの武器を導入する契約を締結した。これらのK武器3点セットの輸出額は第1次が10兆ウォン(約1兆400億円)で、今後10年以上3回にわたる輸出額を全て合計すれば最終的に25兆ウォン(約2兆6000億円)に達すると予想されている。韓国製武器の輸出では過去最高額だ。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は今年5月に英国の国防相と会談し、6月にはスペインで開催されたNATO(北大西洋条約機構)首脳会議に出席したが、これらを契機に尹大統領はポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領と首脳会談を行い、防衛協力について意見交換した。それからわずか2カ月で韓国は過去に例のない大きな成果を手にしたことになる。今後の武器輸出において中東やアジアはもちろん、比較的不振だった欧州市場への進出にも勢いがつくとの見方も出ている。

 ポーランド政府はこの日「FA50軽攻撃機の改良型48機をはじめ、K2戦車980両とK9自走砲648門の基本契約を締結した」と発表した。ポーランド国防省のビルで行われた契約締結式にはポーランドのマリウシュ・ブワシュチャク副首相兼国防相やアルトゥール・クプテル軍備庁長などポーランド政府の関係者、そして韓国側からは現代ロテムのイ・ヨンベ社長、ハンファ・ディフェンスのソン・ジェイル社長、韓国航空宇宙産業(KAI)のアン・ヒョンホ社長ら韓国の軍需関連企業の代表が出席した。今回ポーランドに輸出されるK2戦車は現代ロテム、K9自走砲はハンファ・ディフェンス、FA50軽攻撃機は韓国航空宇宙産業がそれぞれ製造している。

 ポーランドが今回巨額の武器購入に乗り出した理由は、ロシアと戦争中のウクライナを支援している影響で自国の戦力に空白が生じたからだ。当初ポーランドは米国の航空機やドイツ製戦車などの購入を検討したと伝えられているが、最終的に韓国製を選んだ。ブワシュチャク副首相兼国防相は締結式で「ポーランドはウクライナ支援により生じた地上と空中での戦力の空白を埋めねばならない」とした上で「技術、価格、導入時期などを考慮すると、韓国の武器システムが最も適合した」と述べた。

 ポーランド政府によると、K2戦車の導入は2段階で行われる予定だという。ポーランドはまず第1次としてK2戦車「黒ヒョウ」を180両輸入し、第2次として技術移転や部品調達などを通じてK2PL(ポーランド型K2)800両を現地で製造する計画だ。K9自走砲は第1段階として今年48門を輸入する予定で、その後2024年から600門を自国で生産する予定だ。ブワシュチャク副首相は「K9自走砲の場合、(国際的に)技術が認められているため早期の導入が決まった」とも説明した。

 FA50は2023年中ごろまでに12機がまず引き渡され、最終的に合計48機が導入される計画だ。韓国製の軍用機が欧州に進出するのは今回が初めてだ。KAIは先日「欧州ではウクライナ戦争の影響で軽攻撃機の需要が大きく高まっている」として「今回の輸出を契機に欧州市場に本格的に進出する計画」と明らかにした。欧州では多くの国が旧ソ連製戦闘機のミグ29やイタリアのM346攻撃機を保有しているが、部品の供給が円滑に行われないため稼働率は50%を下回っているという。

 KAIは将来ポーランド現地でパイロットを養成する国際飛行学校を設立する計画も表明した。東欧諸国にはパイロットを養成する教育機関がないため、パイロットの多くは米国で教育を受けているという。ブワシュチャク副首相は「韓国のFA50は軽量で米国製のF16を基盤とする多目的兵器であるため、ポーランドでうまく活用する準備ができている」「FA50は技術面での効率性が85%に達する」と高く評価した。

 ポーランド政府は今回の契約式を政府のホームページで事前に伝え「韓国との武器契約はここ数年で最も重要な国防分野の決定の一つだ」「注文した装備はポーランドの抑止力と防衛力を強化するだろう」との文言を掲載した。現代ロテムのイ・ヨンベ社長は韓国企業を代表し「韓国と同じ武器システムを使用することで、両国間の連帯がより深まると期待している」とコメントした。

キム・スンヒョン記者、ワルシャワ(ポーランド)国防省共同取材チーム

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