▲2018年11月、インドのウッタル・プラデーシュ州アーグラにあるタージ・マハルを訪れた金正淑(キム・ジョンスク)夫人。写真=NEWSIS

 韓国文化体育観光部に対する国会国政監査で5日、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の妻・金正淑(キム・ジョンスク)夫人の2018年インド単独訪問をめぐる議論が続けられた。

 与党・国民の力の裵賢鎮(ペ・ヒョンジン)議員は「当時の青瓦台(大統領府)は『インド側が(金正淑夫人の)出席を希望してインド訪問が実現した』と言っていたが、外交部を通じて確認してみたところ、もともとは文化体育観光部長官の訪問日程だったものを、大統領夫人が一緒に行きたいという意向を示したため、それに合わせてインドが招待状を送ったものだった」と明らかにした。

 金正淑夫人は2018年11月、大統領専用機の韓国空軍2号機を利用して3泊4日の日程でインドを訪れた。このインド訪問関連予算は空軍2号機費用2億5000万ウォン(現在のレートで約2500万円)を含め、4億ウォン(約4100万円)が割り当てられた。文化体育観光部は企画財政部に代表団出張予備費4億ウォンを申請、翌日の国務会議で議決されたのに続き、申請から三日で予備費が割り当てられた。この5年間で三日以内に予備費が割り当てられた事例は約30件あるが、ほとんどが新型コロナウイルス緊急防疫措置に関する予算だった。裵賢鎮議員は「企画財政部に予備費を申請する際にタージ・マハルが抜け落ちていただけでなく、文化体育観光部の出張結果報告書にもタージ・マハルの日程はなかった」として、文化体育観光部の自己監査を要求した。同議員はまた、「国家予算を使う海外訪問をはじめとする公務出張後は必ず出張結果報告書を作成・提出することになっている」「ところが、(文化体育観光部が提出した)出張結果報告書にはタージ・マハル訪問時の内容だけが記録されていない」とも言った。そして、「(タージ・マハル訪問が)現地の要請による公式外交日程だったなら、結果報告書に当然入れなければならない」と指摘した。

 同党の成一鍾(ソン・イルジョン)政策委員会議長は同日、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」に「国の予備費は金正淑夫人が海外旅行に行くための小遣い銭なのか」「予備費として使用した全額を私費で国庫返還措置にするよう望む」と投稿した。この前日、同党の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員は外交部の国政監査で「大統領夫人は文化体育観光部長官が行くことになっていた行事に自分も行こうとして予備費を緊急編成させた。大統領夫人の世界一周の夢をかなえてやる『やりたいことリスト』外交なのか」と言った。鄭鎮碩議員のこうした発言に、野党・共に民主党の議員らは「インド側は文在寅前大統領を招待したが、文前大統領は行けなかった。このため、インド側が代わりに金正淑夫人に提案したものだ。政治的に歪曲(わいきょく)してはならない」と反発した。

キム・ミンソ記者

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