▲写真=聯合ニュース

 先月5日、京畿道・五鳳駅で貨物列車が脱線し、線路で作業中だった作業員が死亡した事故。事故を起こした機関士は当時、スマートフォンを操作していたことが分かった。問題の貨物列車には機関士が2人いたが、運転は研修期間中のA氏が行い、A氏を監督・指導すべき立場にあった監督機関士のB氏がスマートフォンを見続けている様子が機関室の監視カメラに撮影されていた。

 韓国国土交通部(省に相当、以下同じ)鉄道特別司法警察隊が機関士のA氏とB氏について業務上過失致死の容疑で取り調べを行っていることが20日までに分かった。A氏による運転中の過失、そしてB氏がスマートフォンに夢中で管理・監督を怠ったことが直接の事故原因と警察隊はにらんでいるようだ。A氏は事故当時、五鳳駅の線路を初めて運行したという。鉄道安全法によると、機関士が列車の運行中に携帯電話など電子機器を使用することは禁じられているが、現場ではこれが守られないことがよくあり、KORAIL(韓国鉄道公社)も監督に頭を痛めているという。2014年にも機関士がスマートフォンでカカオトークに夢中になり事故を起こしたことがある。

 五鳳駅での事故原因は現時点では明確に解明されておらず、国土交通部と雇用労働部が今も調査中だ。これまでは列車運転の過失ではなく線路のポイント異常が直接の原因との見方が有力視されていた。しかし今回新たな事実が明らかになり、事故原因に対する調査は新たな段階に入った。

 当時、この貨物列車は機関車の後ろに貨物列車を追加で連結するためのバック中に事故を起こした。列車が間違った線路に入り、そこで列車の分離・連結作業を行っていた作業員が列車にはねられ死亡したのだ。韓国政府関係者は「列車の分離・連結作業は事故の危険性が非常に高い作業だ。そのため作業現場を運行する際に機関士には格別な注意が求められる」と述べた。

 現在、KORAILの旅客列車や貨物列車の運転席では何が起こったかを即座に確認できる監視カメラは設置されていない。現行法では設置も可能だが、KORAILの労働組合が「人権侵害」との理由で反対しているからだ。ただし前方の線路を撮影する監視カメラは設置されている。今回の「機関士によるスマートフォン使用」は機関室横のガラス窓にその姿が反射し、それが前方の監視カメラに捉えられ明らかになったという。本紙はKORAILを通じて2人の機関士から説明を聞こうとしたが、KORAILは回答していない。

チョ・ベッコン記者

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