【写真】江原道春川市にあるレゴランド/聯合ニュース

 韓国の短期金融システム状況を示す金融不安指数(FSI)が今年10月以降、「危機」段階まで上昇したことが分かった。レゴランド問題と急激な利上げが重なり、短期資金市場の行き詰まりと金融市場の不安が深刻化した影響だ。金融不安指数が危機段階に入ったのはコロナ流行初期以来だ。

 韓国銀行が22日発表した「金融安定報告書」によると、韓国の金融不安指数は10月に危機段階(22以上)に当たる23.6を記録した。これは新型コロナウイルス感染症が拡散し始めた2020年4月(24.7)以来2年6カ月ぶりの高水準だ。

 金融不安指数は指数が高いほど、それだけ金融不安が高まったことを意味する。同指数が8を超えれば「注意段階」、22を超えれば「危機段階」に分類される。1997年の通貨危機と2008年の世界的な金融危機の当時も同指数は注意段階を超え、徐々に危機段階に入った。過去の経済危機では、同指数が注意段階に入った後、危機段階まで到達するのにかかった期間は平均で6-8カ月だった。

 今年2月に6.8だった同指数は、ロシアがウクライナに侵攻した3月に8.9に上昇して注意段階入り。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの影響で5月には13.1まで上昇した。その後韓国を含む主要国の攻撃的な利上げで市場の変動性が拡大する中、10月に江原道が支払い保証したテーマパーク「レゴランド」でプロジェクトファイナンス(PF)の資産流動化コマーシャルペーパー(ABCP)が不渡りとなり、同指数は一気に23.6まで上昇した。注意段階から危機段階に突入するのにかかった期間は7カ月だった。

 韓国銀行関係者は「金融不安指数は債券および短期資金市場の資金仲介機能が一部制約されたことで、10月に危機段階まで上昇した」と述べた。当時1ドル=1400ウォン台までウォン安が進行し、為替市場の変動性が高まったことも短期の金融不安をあおった。

 ただ、政府、韓国銀行が50兆ウォン以上の流動性供給策などを打ち出した影響で、11月の金融不安指数は23へと小幅ながら低下した。今月に入ると、資金市場の行き詰まりが緩和され、社債発行環境が少しずつ改善しており、同指数もさらに低下すると予想される。

 韓銀のイ・ジョンウク金融安定局長は「金融不安指数の上昇は最近、社債スプレッド(国債と格付けダブルAマイナスの社債の金利差)が急騰したことと為替変動性が高まったことに伴うものだ」とし、「政府の市場安定化措置以後、コマーシャルペーパー(CP)市場で金利スプレッドが縮小し、為替変動性も低下しており、今後金融不安指数も小幅ながら低下すると期待している」と話した。

 韓国銀行は今年下半期、韓国の金融システムが国内外の不透明性拡大で一部不安に見舞われたが、全般的な資金仲介機能は円滑だったと評価した。

 実際に金融システムの中長期的な脆弱性を示す金融脆弱性指数(FVI)は44.9だった。昨年下半期以降は低下しているが、依然として長期平均(36.8)を上回っている。韓銀は「家計負債の増加傾向鈍化、資産価格下落によって、これまで積み重なった金融不均衡が縮小し、金融部門の良好な復元力などに支えられ、金融システムの中長期的な脆弱性はやや緩和された」と説明した。

イ・ジェウン記者

ホーム TOP