チョ・グク元法務部長官に懲役2年を言い渡したソウル中央地裁の一審判決文の内容が6日までに判明した。

 裁判所はチョ元長官に実刑を宣告した理由について、「法廷でも客観的証拠に反する主張を行い、誤りに対しては依然として目を閉じたまま真に反省する姿を見せていない」とし、「罪の責任に相応する重い処罰が避けられないと判断される」と指摘した。

 チョ元長官は3日の判決公判で、子女の入試不正疑惑7件のうち6件、青瓦台民情首席秘書官時代の柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市副市長に対する監察中断圧力、娘チョ・ミン氏による釜山大医学専門大学院の奨学金600万ウォン(約63万円)受領で有罪判決を受けた。

 A4サイズで375枚に達する判決文には、チョ元長官の主な起訴事実13件のうち8件を有罪とした裁判所の法的判断が詳細に示されている。

 子女の入試不正について、裁判所は、「著名な大学教授として大きな社会的影響力を持っていた被告(チョ元長官)が社会の期待と責務を全て裏切り、子女の入試で有利な結果さえ得られるならば、いかなる脱法行為を行っても問題にならないという誤った認識から始まった」とし、「教育機関の入学判定業務が実際に妨害された」と判断した。

 裁判所はまた、「時がたつほど犯行方法がより大胆になっていった点を考慮すると、犯行動機と罪状は悪質だ」とする一方、「入試制度の公正性に対する社会の信頼が深刻に損ねられ、被告家族を巡る疑惑で深刻な社会的分裂と消耗的対立が続いた」と評した。

 一方、チョ元長官が民政首席秘書官在任中、柳在洙元副市長に対する青瓦台特別監察班の監察を中断させた行為について、裁判所は「正常に進められた監察を政界の不正な請託により中断させた」とし、「幹部公務員の不正を厳正に監察し、適切な措置を取るべき責務を果たさなかった」と判断した。裁判所は金慶洙(キム・ギョンス)元慶尚南道知事、尹健永(ユン・ゴンヨン)元青瓦台国政状況室長ら「親文在寅(ムン・ジェイン)」系の人物が当時の白元宇(ペク・ウォンウ)民情秘書官らに接触し、全方位的に柳元副市長をかばったとした。

■「奨学金、他の学生に絶対言うな」

 チョ元長官の判決文には娘チョ・ミン氏が釜山大医学部から奨学金を受け取る際、家族とやりとりした携帯メールなどが証拠として示されている。チョ・ミン氏は2016年5月、当時の盧煥中(ノ・ファンジュン)梁山釜山大学病院長が指定寄付した奨学金200万ウォンを受け取ったが、同年7月には指導教授に「教授の成績が出たのだが、他の2科目は大丈夫で『各論1』は予想通りめちゃくちゃ…最下位になりました」というメールを送った。

 チョ・ミン氏は同年10月にも奨学金200万ウォンを受け取った。その際、家族のチャットルームで「私が(奨学金)を受け取ろうと通りかかった際、教授が『お父さんとよく似ているね』と言った」と言うと、チョ元長官は「負担だろうが仕方ないことだ」と答えた。

 チョ・ミン氏は17年3月16日、家族のチャットルームで母親のチョン·ギョンシム元東洋大教授に「(釜山大医学専門大学院の)盧煥中教授が奨学金を今回も私がもらうことになるが、他の学生たちに言わずに静かに受け取れと言った」と話した。それに対し、チョン元教授は「絶対知らないふりをしなさい」と答えた。

 一方、盧煥中教授は17年5月10日「民情首席(秘書官)任命おめでとうございます。私は梁山釜山大学病院のためにさらに2年奉仕することになりました」という携帯メールをチョ元長官に送った。チョ元長官も「ありがとうございます。 院長も健康にお気をつけください」と返事した。

 検察はチョ元長官が民情首席秘書官に就任した17年5月以後の奨学金600万ウォンについて、収賄、請託禁止法違反の罪で起訴した。裁判所は収賄については職務との関連性がないとして無罪を言い渡したが、請託禁止法違反については「民政首席秘書官が奨学金名目で少なくない金銭を繰り返し受け取り、公正性と清廉性が疑われる行為をした」と判断した。

■ソウル大学、チョ元長官の懲戒検討

 ソウル大は同日、チョ元長官の一審判決文を入手次第分析し、総長と懲戒委員に報告すると表明した。ソウル大はチョ元長官が起訴された直後の20年1月、チョ元長官を教授職から解任したが、一部懲戒委員が「一審判決を見守るべきだ」と主張し、懲戒論議は中断している。

ヤン・ウンギョン記者、ユ・ジョンホン記者

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