サッカーの欧州リーグで大活躍しているDFキム・ミンジェ(26)=SSCナポリ=は韓国サッカー界の誇りであり希望だ。2017年に韓国代表メンバーに選出されたキム・ミンジェはファンからとても愛された。彼が2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会直前にけがで代表から外された時、人々はキム・ミンジェと共に悲しんだ。

 そんなキム・ミンジェがサッカーファンを失望させた。キム・ミンジェはコロンビアやウルグアイとの強化試合で相次いで失点のきっかけを提供して不振だった。彼は「精神的に崩れた」「代表チームよりも所属チームのことに神経を集中させたい」と言った。太極マーク(韓国国旗のマーク)の重みを軽視するような発言に、「軽率だ」と指摘する声が相次いだ。

 こうした波紋が広がるや、キム・ミンジェは29日午後、「(発言の)意味が間違って伝えられた。失望した方々におわびする」と謝罪した。キム・ミンジェはこのところ、韓国代表チームにおいてますます高まる比重に精神的なプレッシャーを感じていた。彼は昨年のカタールW杯で、韓国代表としてプレーする時の心理的な負担を吐露したという。W杯で負傷し、思っていたプレーはできなかったが、今回の強化試合2試合でも振るわず、感情が爆発したということだ。今回の件は、彼が代表引退を示唆したものではなく、単なる失言だとみられる。しかし、韓国代表であるのにもかかわらず、よく練られていない表現は不適切だった。実際問題として、表に出る行動と結果が人々の判断の基準となるからだ。

 キム・ミンジェは1996年生まれで、韓国代表チームでは若い方に属するが、チョ・ギュソン(25)=全北現代モータース=や李康仁(イ・ガンイン、22)=RCDマジョルカ=ら後輩たちもいる。キム・ミンジェの一言は思っているよりも大きな波紋を招きかねない。欧州リーグ定着に成功している選手なので、彼を見て学ぼうとする人が今後さらに出てくると思われるからだ。

 過度なソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)活動も警戒する必要がある。キム・ミンジェが釈明文をSNSに掲載した後、ネットユーザーたちは、キム・ミンジェがソン・フンミン(30)=トッテナム=のアカウントのフォローを外したことに気付いたため、再び騒動になった。チームメートのフォローを外すのは異例のことだ。単なるミスである可能性もあるが、キム・ミンジェは再び非難を浴びた。これまでも、アレックス・ファーガソン元マンチェスター・ユナイテッド監督など多くのサッカー界関係者が過度なSNS活動を警戒してきた。

 キム・ミンジェは「(今回の騒動で)太極マークをつけてプレーした49試合はなくなり、代表チームを軽く考える選手になった」と言った。一種のむなしさや寂しさを吐露したものと思われるが、一部のファンたちは今回の件をきっかけに、キム・ミンジェを冷ややかな目で見始めている。「長い時間をかけて築いてきた信頼が崩れるのは一瞬だ」という古い格言がある。このようなことが繰り返さるうちに、キム・ミンジェが5年7カ月間にわたり韓国代表として築いてきた信頼が一瞬にして消えてしまうのではないか、と懸念される。国を代表する選手は実力と同じくらい言動も重要だ。「リーダーシップとは模範を示すこと」という言葉もあるからだ。

キム・ミンギ記者

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