▲イラスト=UTOIMAGE

 中国で人間が犬にかまれるトラブルが相次ぎ、2歳の女児が死亡するという事故まで発生する中、台湾の女優がSNS(交流サイト)で事故を起こした犬を擁護し、物議を醸している。

 複数の中華圏メディアが10月31日に報じたところによると、中国・四川省成都市内の住宅団地で10月17日、猛犬に分類されるロットワイラーが2歳の女児を襲った。女児は腎臓破裂などの重傷ですぐに近くの病院に搬送されたが、死亡した。

 当時、飼い主は現場におらず、警察の捜査の末に翌日逮捕された。一時は微博(ウェイボー)などのSNSで事故の動画が公開されていたが、犬が女児を襲う様子があまりに残酷だったため、一部では動画の真偽をめぐって論争が起きたという。

 同様の事故は、内モンゴル自治区の呼和浩特(フフホト)でも発生した。0歳の息子をベビーカーに乗せて公園を散歩していた女性が、犬3匹に突然襲われたのだ。女性は必死で子どもを守ろうとし、自身は足に大けがを負った。

 相次ぐ被害を受けて中国当局は、ペットとして登録されていない大型犬を捨て犬と判断し、殺処分する方針を打ち出した。ところが今度は、このニュースをめぐる台湾の有名女優の書き込みが論議を呼んだ。その女優とは動物愛好家として知られる陳喬恩(ジョー・チェン、44)だ。

 陳喬恩は微博で当局の方針に言及し「胸が痛い。捨て犬には過ちはない。行き場を失った動物を傷つけないでほしい」とつづった。この書き込みは「事故を起こした犬を擁護するような発言」と捉えられ、インターネットでたちまち激しい非難を浴びた。

 ネットユーザーらは「それなら襲われた子どもに過ちがあったということか」「人ごとだからって安易に語るな」「人を殺した犬に過ちがないだなんて」などと激怒し、陳喬恩の書き込みには9万件以上のコメントが殺到した。ただし、中には「犬をきちんと見ていなかった飼い主に責任がある」との反応も見られた。

 陳喬恩は2001年に台湾ドラマ『ラベンダー』でデビューした人気女優で、「台湾のラブコメ女王」とも呼ばれる。『月下の恋歌 笑傲江湖』『王の女たち 〜もうひとつの項羽と劉邦〜』『独孤皇后~乱世に咲く花~』などの作品で熱演した。2018年1月には飲酒運転で警察に摘発されて物議を醸した。

ムン・ジヨン記者

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