▲太永浩・国民の力議員が1月17日、国会議員会館で本紙のインタビューに応じた。/李徳勲(イ・ドクフン)記者

-内部引き締めの意図もあるか。

 「今、北朝鮮のMZ世代(1980-2010年ごろ生まれ)はひそかに韓国のドラマや映画を見て韓国にあこがれ、統一に対する期待を持っている。金正恩は、憲法から民族の概念と平和統一を取り除くことで、そんな北朝鮮のMZ世代に『統一はない』と断念させたのだ」

-尹錫悦大統領は1月16日、「北朝鮮が挑発してきたら数倍にして反撃する」と述べた。

 「非常に良い発言だ。北朝鮮という体制は、挑発のレベルを高めるとき、強く対抗されると後退して萎縮するシステムだ。逆に、金正恩を過度に刺激するのではと思って『トーンダウン』すると、金正恩が『ちょっとレベルの高い挑発をしたから韓国政府が萎縮したのか?』と、誤った判断をさせることになりかねない。シン・ウォンシク国防相と韓国軍の金明秀(キム・ミョンス)合同参謀本部議長が年初に前方部隊を視察し、『即強クッ(即時・強力に・最後〈クッ〉まで)』という強いメッセージを出したことも、非常に良かったと思う。年初に北朝鮮が、西海5島方面において3日連続で砲撃をして挑発したが、初日に韓国軍が2倍以上の対応射撃をすると、すぐに静かになったではないか」

-民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は1月17日、「すぐに戦争が、あす起きてもおかしくないほどに韓半島の平和が追い出されている」と発言した。

 「北朝鮮が挑発のレベルを上げて、統一しては駄目だと言うとき、韓国政界は『われわれは一つの民族で、いずれ必ず統一する宿命を抱えている』と、声を一つにしなければならない。金正恩が挑発のレベルを上げるからといって非難の矛先を韓国政府に向けたら、金正恩をさらに有頂天にさせ、さらに悲劇的な結果をもたらしかねない」

-北朝鮮がレベルを高めているところから考えると、実際の挑発にもつながるのではないか。

 「挑発の可能性が全くないとは言い難い。銃や、砲弾が行き来することはあり得るが、『天安』爆沈事件のように特大の挑発は起きないだろう」

-なぜそう判断するのか。

 「今、北朝鮮は自分たちの持っている砲弾やミサイルの相当数を、ウクライナと戦争中のロシアに売っている。生産する端から全部持っていっているというが、すぐに資金が苦しくなるから、軍部隊に配備しているものまで売っているだろうと思う。それで、一方では『韓国と米国がこういう事情を知って、急に攻め込んできたらどうするか』という心配があるのだ。金正恩が今年、すぐに戦争を起こそうと考えているのであれば、自分たちの武器をコンテナに積んでロシアに大量に送るというのはつじつまが合うことだろうか。だから虚勢を張り、まるで自分たちが大事件を起こすかのように振る舞って、韓国と米国を萎縮させようとしているのだ」

-北朝鮮が武器取引の代価としてロシアから軍事技術の移転を受けている疑いもある。

 「頻繁な挑発はロシアの軍事技術移転とも関連があると思う。北朝鮮が最近発射した軍事偵察衛星、固体燃料極超音速ミサイルなどは、非常に高度化された技術だ。北朝鮮の立場からは、ロシアに武器を渡している今の時点で、最大限の軍事的実験をたくさんやって、過去に克服できなかった技術を導入しなければならないのではないか」

-北朝鮮内部の状況はどうか。

 「金正恩のレトリックとは異なり、北朝鮮住民の雰囲気は『戦争とは一体…』というものだ。農作業の準備をして、共産党幹部が工場の生産を督励している。本当に戦争が不安なときは、平壌で毎夜『夜間空襲公報訓練』をやるが、今はやってもいない」

キム・スンジェ記者

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