▲グラフィック=ペク・ヒョンソン

 韓国ソウル市でも学校とマンションを同時に開発するいわゆる「住教複合団地」の構想が浮上した。これまで学校用地の遊休部分は文化・体育・保育施設などに活用されてきたが、学校とマンションを複合開発するのは今回が初めてだ。初等学校(小学校)に近いマンションが人気を呼んでいるが、小学校が内部にあるマンションが登場することになる。

 ソウル市とソウル市教育庁、ソウル住宅都市公社(SH)などが16日までに明らかにしたところによると、ソウル市教育庁とSHは今月初め、鍾路区の孝悌初等学校と中部教育支援庁の敷地を試験事業地に選定し、具体的な開発案の策定作業に入った。

 地下鉄鍾路5街駅前にある孝悌初等学校(1万6798平方メートル)と中部教育支援庁の敷地を合わせれば、面積は2万平方メートルを超える。1895年に開校した孝悌初等学校は1960年代半ば、クラス数が60を超え、全校児童が約5000人に達していた。しかし、都心空洞化などで、児童数は2014年の356人から昨年には209人へと10年間で41%減少した。ソウル市教育庁は孝悌初等学校のように全校児童が240人以下の小学校と全校生徒が300人以下の中学校・高校を「小規模学校」に分類している。

 SHなどが検討している開発案は、学校の敷地に高層複合ビルを建設し、学校とマンションが入居するものだ。例えば、下層階に学校を設け、中・上層階を商業施設やマンションとして利用する。東京駅近くにある「東京ミッドタウン八重洲」などと似た構造だ。

 東京ミッドタウン八重洲は区立小学校を含む八重洲地区の土地を再開発して建てられた。45階建ての建物に小学校、幼稚園、高速バスターミナル、ホテルなどが入っている。1~4階が小学校で、児童の安全に配慮し、出入口は建物の裏側に別途設置した。児童数は約230人で、鍾路区の孝悌初等学校のような「小規模学校」だ。ビルの最上部の40~45階には5つ星ホテルの「ブルガリホテル東京」が入居しており、残る空間はオフィスや商業施設となっている。

 もう一つの案は、広い学校敷地の効率的な利用だ。教室など学校施設は必要な規模で建て直し、残りの土地にマンションを建設するという考え方だ。児童にはマンション内の共同施設を自由に使ってもらう。学校を維持するため、幼稚園から中学生まで子女を持つ家庭がマンションの一定比率を占めることを義務づける案も検討中だ。SH関係者は「屋外運動場がなくなれば、マンション内のスポーツ施設を住民と共同で使用するなど、児童の教育空間を最大限確保することになる」と話した。

 ソウル市教育庁、ソウル市、SHなどは昨年末に協議体を設置後、孝悌初等学校の住教複合開発に向け、分譲比率、寄付採納方式など具体的に検討している。

 2012年に116万人に達したソウル内の初等学校・中学校・高校の児童・生徒数は今年時点で77万1150人へと34%も減少した。昨年3月、広津区の華陽初等学校は新入生数が急激に減少して廃校になった。ソウル市内の小規模学校数も14年の35校から22年には119校へと3倍以上に増えた。ソウル市教育庁関係者は「住教複合事業は小規模化する学校を廃校せずに活用するものであり、通学条件と学習権を保護するための方策だ」と説明した。

 ソウル市教育庁は、孝悌初等学校だけでなく、市内全域で児童・生徒数が減少している学校すべてを検討対象とし、住教複合団地を拡大していく計画だ。

アン・ジュンヒョン記者、パク・チンソン記者

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