▲ウクライナ軍のドローン攻撃で爆発する武器庫。/X(旧ツイッター)

 ウクライナ軍のドローンが数百億ウォン(約数十億円)相当のロシアの戦車や対空砲などを破壊する様子が動画で公開された。最前線近くの武器庫の中にひそかに進入し、目標物を発見するとそのまま自爆しているようだ。

 英メディア「ザ・テレグラフ」など外信が21日(現地時間)に報じたところによると、親ウクライナのテレグラムチャンネル「ワイルドホーネット」は最近、2分ほどの動画を公開し「武器庫全体が完全に燃えた」と説明。さらに、今回のドローン攻撃によってロシアのT-72 戦車2台、S-60対空砲2門、BMP-3歩兵戦闘車1台、オフロードトラック2台が破壊されたと伝えた。

 この動画は、ウクライナ東部ドネツク州のスタロムリニフカ村にある武器庫をウクライナ軍のドローン数台が撮影したものだとみられる。ウクライナ軍のドローンは武器庫の正面入り口を見つけると、スピードを落として慎重に中に進入する。さらに、内部をゆっくりと回り、ロシア軍の主力装甲車BMPTを発見すると同時に素早く突進し、自爆する。

 動画の続きには、武器庫全体が火に包まれる様子が映っている。しかしドローンはロシア軍の兵器を一つ残らず破壊すると決めたかのように、再び中に進入し、まだ破壊されていない戦車などに突っ込んでいく。遠くから武器庫の方を撮影していたカメラには、黒い煙が噴き上がって巨大な柱になる様子も映っていた。

 これについて、米国外交政策研究所所属のロブ・リー先任研究員は「ロシア軍が武器庫の入り口に安いネットでも設置しておけば、このような損失は防げただろう」として「このように多くの装備を最前線近くに無防備に置いておくというのは、ロシア軍がそれだけ油断しているという意味だ」と分析した。

 ロシア国防省は今月18日、ウクライナ東部の激戦地ドネツク州のアウディーイウカを完全に掌握したと宣言。その上で「掌握した領土の面積は計31.75平方キロメートルで、ウクライナ軍は1500人以上の兵力を失った」と主張した。これを巡り、ロシアのウラジミル・プーチン大統領も「重要な勝利」と述べた。

 ただし、2022年2月の開戦直後から激しい戦闘を繰り広げてきたこの地域を占領するまでに2年を要し、その過程で自軍の兵士数万人が死亡していることから、ロシア軍の戦い方が非効率的だと評する声もある。ウクライナ国防省の情報部門トップ、キリーロ・ブダノフ情報総局長も米ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで「それが偉大で強力なロシアの軍隊の成功なのか」と疑問を投げかけた。

 その上で「ロシアで専門的に訓練を受けた軍隊は侵攻1年目にほとんどが瓦解し、砲弾の使用も生産力に比べて過剰だった。昨年は数百台の戦車が投入されたが、その相当数が旧式のモデルで、新式の戦車は174台にすぎなかった」として「これらの点を総合すると、ロシアが今年ドネツクとルハンシク全体を掌握するという主要目標を達成するのは容易ではないだろう」との見方を示した。

ムン・ジヨン記者

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