▲イラスト=朝鮮デザインラボ チョン・ダウン

 「日本旅行に行ったら、景気が良さそうに見えたので、購入したのだが、3カ月もたたないうちに収益率が46%に達しました」

 会社員Lさんは最近、自分の個人型退職年金(IRP)口座を見るたびに笑みを浮かべる。日本の半導体銘柄に投資する上場投資信託(ETF)に投資した年金500万ウォン(約56万円)が約700万ウォンに増えたからだ。

 日本の代表的な株価指数である日経平均が2月22日、バブル期を上回る過去最高値を更新し、その後も上昇傾向を続けている。それを受け、韓国では日本の株式市場への投資需要が増えている。韓国で上場された日本関連ETF12銘柄の純資産は年初時点で約5020億ウォンだったが、2カ月もたたないうちに26日時点で7038億ウォンに増えた。

 日本株には、韓国とは異なり、最低売買単位(通常100株)があり、個人投資家が小額で投資するには不便だ。そのため、日本の株式市場に投資する際、韓国の投資家は投資口当たりの価格が低く、小額投資が可能なETFを探すことになる。これまで日本の株価指数や半導体銘柄に投資した韓国の個人投資家は利益を上げているが、円に投資した投資家は損益がマイナスだ。

■指数レバレッジ商品の収益率86%

 ファンド評価会社のFNガイドによると、日本の半導体に投資する韓国のETFは年初来で16~21%の収益率を上げている。これらETFは2月10日までは年初来の収益率がマイナス1~プラス3%だったが、約1カ月余りで大幅な収益を上げることに成功した。その間に人工知能(AI)用半導体メーカーである米エヌビディアの株価が45%も上昇し、業績も好調だったことから、スクリーンホールディングス、アドバンテスト、ディスコ、東京エレクトロンなど日本の半導体企業の株価も同時に上昇基調に乗った。

 半導体企業を中心に上昇傾向を見せる日本株が連日過去最高値を更新し、TOPIXや日経平均などの株価指数で収益が決まるETFも年初来2桁台の収益率を上げている。TOPIXの収益率の2倍の値動きをするように設計された「ACE日本トピックスレバレッジ」は1年間の収益率が86%に達した。

■円を買った投資家は涙

 しかし、記録的円安が続く中、円高に転じることを期待した個人投資家の表情は暗い。円相場は年初時点で1ドル=140円近いの水準だったが、直近では150円台まで下落した

 昨年末に発売されたETF「KBSTAR米国債30年円エクスポージャー」は、26日時点の純資産が1177億ウォンで、韓国で上場されている日本関連ETF12銘柄の純資産全体の17%を占める。年内に米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を引き下げた際の米国債上昇と円高を同時に狙う投資需要が集中した。しかし、米国の利下げ期待が下火になり、年初来の収益率は約マイナス10%を記録している。「TIGER日本円先物」ETFも1年間の収益率がマイナス10%前後だ。

 円安が進み、日本株に投資するETFの中でも為替変動に左右される「TIGER日本日経225」の収益率は年初来13%台だが、為替ヘッジ商品である「ACE日本日経225」は同じ期間の収益率が17%で差が生じている。

■「製造業・消費財・金融」も注目

 専門家は「円高が進むと、為替差益は生じるかもしれないが、円安で好業績を上げてきた日本企業が低迷し、株価下落につながりかねないことに留意すべきだ」と主張する。韓国投資信託運用ETFコンサルティング担当のキム・スンヒョン氏は「年内に円高に急速に転換するかはまだ確信できない」としながらも、「円高に転じると、輸出企業を多く含む日本の株価指数は下落する恐れがある」と指摘した。

 韓国で上場された日本株ETFは、まだ投資対象が株価指数や半導体部門に限られている。世界的な資産運用会社フランクリン・テンプルトンのファーディナンド・チュク上級副社長は本紙との書面によるインタビューに対し、「日本の株式市場は非常に多彩な銘柄を選択できる。製造業、消費財、金融部門も注目に値する」と述べた。

柳素娟(ユ・ソヨン)記者

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