▲イラスト=UTOIMAGE

 自身の小学生の子どもが無人の文具店で商品を盗んだことを知り、即座に店に謝罪したものの、店主から品物の価格の5倍に当たる補償金を要求された-このような話がコミュニティーサイトに投稿され、インターネット上で論議を呼んでいる。

 全羅南道順天市に住むAさんは今月4日、インターネットの自営業者向けコミュニティーサイト「つらいから社長だ」に「無人の文具店で子どもが品物を盗んできました」と題する文章を投稿した。

 Aさんは「小学3年生の子どもが、無人の文具店で4万ウォン(約4400円)のポケモンカード1箱を盗んできた」として「びっくりして店主に連絡し、補償すると伝えた」と当時の状況を説明した。

 Aさんは「しばらくして、(店主から)20万ウォン(約2万2000円)払ってもらえればいい、と電話がきた」として「私と妻は金額にびっくりして、なぜそんな金額になるのか尋ねた」と続けた。

 Aさんによると、店主は「(子どもが品物を盗んだのが)初めてではない可能性がある」として「ほかの人たちに盗まれた被害の金額の一部も請求した」と説明したという。

 Aさんは「意味が分からず、そんな金額は払えないと言ったら、店主は子どもを通報するといって警察を呼んだ」と続けた。結局、警察が出動したが、警察官たちも店主の要求が理解できないと言ったという。最終的にAさん側は店主に4万ウォンだけ支払ったとのことだ。

 Aさんは「子どもたちが成長する過程でそのような過ちを犯すこともあるとは思うが、それ利用して一儲けしようと考えているのではないか」「社長の魂胆にあきれており、私たち家族はもうあの店で買い物をするつもりはない」と話した。

 この話をめぐり、ネット上ではさまざまな反応が渦巻いた。無人文具店の店主を擁護するネットユーザーらは「盗みを働いたのがバレたら、当然その値段より多く賠償すべき」「品物を盗んでおいて品物代しか払わないとしたら、私でも腹が立つ。窃盗がいつから『ダメもと』でできるようになったのか」「とにかく盗んだのが悪い」「少なくとも店主に対して申し訳ないという気持ちを持つべき」「地下鉄の無賃乗車だって、見つかったら30倍払うことになる」などの反応を見せた。

 一方、「無人店舗は窃盗を誘導し、補償金で儲けようとしているようだ」「警察まで呼んだとはあきれる」「保護者が過ちを認め、補償するといっているのに、意味が分からない」「20万ウォンという補償要求は行き過ぎだ」などの意見も多数見られた。

 最近は無人ビリヤード場、無人キッズルーム、無人プリントカフェなどさまざまな形態の無人店舗があり、無人店舗の数は韓国全土で約10万店に上ると推算されている。これに伴い無人店舗関連の犯罪も急増している。韓国警察庁によると、2021年3月から22年6月にかけて発生した無人店舗関連の窃盗件数は6344件。販売されている商品が安価であるため通報をしないケースが多く、実際の被害規模ははるかに大きいというのが業界の見方だ。

キム・ミョンイル記者

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