▲映画『破墓』のビハインドスチール。/ショー・ボックス

チャン・ジェヒョン監督インタビュー

 幼い頃に近所の裏山で見た破墓(墓を移すために墓を掘り起こすこと)に着想を得たというチャン・ジェヒョン監督(43)の映画『破墓』が、韓国で観客動員数1000万人を突破した。さまざまな話題が次から次へと出て口コミで広がった上に、「反日映画」「左派の映画」などの論争が続き、人々の好奇心を刺激した。今月21日、観客1000万人突破を前に会ったチャン・ジェヒョン監督(43)は、『破墓』をめぐる論争について口を開いた。

 墓から出てきた「不気味なもの」の正体を推理していく序盤部分の完成度には疑問の声はなかったが、日本の大名の精霊が登場する後半部分からは、評価が真っ二つに分かれた。チャン監督は「シナリオの段階から予想していたこと」としながらも「前半部分は大衆的で気軽な感じに作り、後半部分はマニア向けに作ったのですが、反応が異なるので少し意外でした」と話した。「一か所を掘り進めていくうちに徐々に深く入っていくストーリーであって、全く異なるジャンルに変わるとは思っていません。異質な感じがするかもしれませんが、精霊も超自然的な現象ですから」

 日本の精霊に立ち向かい、韓日の霊と巫女(みこ)が戦いを繰り広げることに加え、独立運動を思わせる内容を至る所に忍ばせ、「反日映画」というレッテルも付いた。チャン監督は「韓国人であれば、程度の差はあるものの、誰もがこの地の悲しみと痛みに対するもどかしい気持ちを抱いていますよね。韓国人なら感じることのできる普遍的な感情を盛り込んだと考えています」

 映画『建国戦争』を手掛けたキム・ドクヨン監督が「反日をあおる映画に左派の人々が殺到している」と主張し、これがかえってノイズマーケティング(炎上商法)効果をもたらした。チャン監督は「人それぞれの見方があるため、正しいとか間違っているとか言うことはできません。私が意図したことではないため、そんなに気にしませんでした。関心を持っていただけてありがたく思っています」と話した。

 チャン監督は「主題意識を表に出さないのが監督としての目標」と述べた。「観客は映画館に勉強しに来るわけではないですよね。観客が抱く感情をまず考えてきました。映画『プリースト 悪魔を葬る者』では希望を与えたかったし、映画『サバハ(THE SIXTH FINGER)』は返事のない神の前に立った人間の悲しみを描きました。今回の映画は晴れ晴れとした気分やスカッとした気分、そして最後には若干ジーンとするような感覚を与えたかったし、観客もそのような感情を抱いて気分よく映画館を出たのではないかと思っています」

 オカルト映画なのに怖くなく痛快な終わり方をする点は、観客層の拡大という意味ではプラスになったものの、「オカルト」というジャンルとしてのゾッとする映画を期待していたマニアにとってはがっかりする内容だった。チャン監督は「新作が出るたびにそのようなことを言われます」と笑った。「『プリースト 悪魔を葬る者』が好きな方々は『サバハ』でがっかりしたし、『サバハ』が好きな方々は『破墓』を見て『何だこれは』と言っていました。恐らく、次の作品も同じでしょう。似たようなものを作り続けていたら発展がないじゃないですか。同じような枠で少しずつ新しいものを見せながら進歩していくべきだと思います」

 チャン監督が映画を制作する際、最も重要視することは「好奇心と緊張感」。「『破墓』も、以前の作品たちも、怖がらせようとして作った映画ではありませんでした。好奇心と緊張感が私のエンジンであり、左腕と右腕なんです。この二つを余すところなく十分に表現すれば、多少『怖い』と感じられるかもしれませんが」

 主役4人の「墓ベンジャーズ(墓+アベンジャーズ)」が再び集結する続編を期待する観客も多い。「『サバハ』は主人公が何かを追跡するストーリーなので、続編を作りやすいんですが、『破墓』は風水地理と巫女(みこ)が絡んでいるため、別の面白いストーリーに出会うのは容易でないと思います。今のところ、続編を作る計画はありません」

ペク・スジン記者

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