▲縁石にぶつかった中国シャオミ「SU7」。/抖音より

 中国を代表するビッグ・テック(巨大IT企業)、シャオミ(Xiaomi)が初めて発売した電気自動車(EV)「SU7(Speed Ultra 7)」を巡り、中国ネットが騒然となっている。発売から24時間で8万8000台が売れ、消費者から高い人気を集める一方で、SNS(交流サイト)には試乗運転中の事故動画が相次いで投稿されているのだ。

 中国のIT専門メディア「マイドライバーズ」などは1日「シャオミSU7の試乗中に発生した事故動画がインターネットに投稿されている」と報じた。

 同メディアは、SU7の性能に言及し「初心者の場合、短時間でスピードが出るという性能に適切に反応するのは難しい」と指摘。デュアルモーターが搭載されたSU7の四輪駆動モデルは、最高出力673馬力、最大トルク838N・mの性能を発揮するという。停止状態からわずか2.78秒で時速100キロのスピードに到達する。加速時間を基準に計算すると、車は走り出して1秒で約30メートル移動することになるが、運転者にとってはこれが扱いにくい可能性がある、とメディアは指摘する。その上で同メディアは「車の加速性能を経験したければ、専門的な道路区間や閉鎖されたテスト用の場所で試した方がよい」と呼び掛けた。

 実際に、TikTokの中国国内版「抖音(ドウイン)」には、SU7がコントロールを失って道路を外れ、縁石にぶつかる動画がいくつも投稿されている。

 ある動画には、青いSU7がスピードを出して走行中に突然右に曲がる様子が映っている。車はその直後、バランスを失ったかのように左右に動き、中央分離帯に衝突して道路の真ん中で止まる。

 他にも、道路を走行していたSU7が前の車に追突する様子や、縁石にぶつかってホイールが損傷し、タイヤがパンクする動画が投稿されている。これらの動画は少ないもので数百回、多いもので20万回以上再生されている。

 これらの動画について、シャオミ側の関係者は「運転者が初心者だったため、カーブで急加速した。事故は車の欠陥とは何ら関係がない」「道路状況が複雑だった。具体的な原因は調査中」との立場を示した。

 シャオミは先月28日にSU7を発売。価格は21万5900元(約452万円)から最高で29万9900元となっている。

 シャオミ側は、発売からわずか17分で5万台超、24時間で8万8000台超の注文があったと明らかにした。しかし消費者らは7日以内に予約金の返金を受けられるため、正確な販売実績が出るのは週明けになるとみられる。

キム・ガヨン記者

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