▲サムスン電子(ソウル市瑞草区)の社屋に翻る社旗/ニュース1

 米系ヘッジファンドのメイソンキャピタルが韓国政府を相手取り申し立てた投資家・国家間の紛争解決手続き(ISDS)で、オランダの常設仲裁裁判所(PCA)は11日、メイソン側の主張を一部認め、韓国政府に約438億ウォン(約49億円)と遅延利息などの賠償を命じる決定を下した。当初メイソンが請求した損害賠償額(約2635億ウォン)の16%が認められた形だ。ISDSは海外の投資家が投資対象国の政策、法令などによって被害を受けた際、損害賠償を受けられるようにする制度だ。

 メイソンは2015年、サムスン物産と第一毛織の合併承認過程で韓国政府が国民年金を使い不当に介入したため、損害を受けたとし、18年にPCAに仲裁を申請した。合併当時、サムスン物産の株式は第一毛織の株式の約3分の1の価値があると算定されたが、メイソンはサムスン物産の株式2.2%を保有していたため、損害を受けたと主張していた。

 これに対し、韓国政府は「国民年金にサムスン物産と第一毛織の合併に賛成するよう指示したという証拠がなく、国民年金の合併賛成はサムスン物産の株主として自身の議決権を行使したにすぎない」と反論した。

 これに先立ち、PCAは昨年6月、米系ヘッジファンドのエリオットが同じ理由で9900億ウォン余りを要求した仲裁案件でも、7%に相当する約690億ウォンの賠償を命じている。

兪鍾軒(ユ・ジョンホン)記者

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