【釜山、金海聯合ニュース】韓国南部の慶尚南道金海市で、救急搬送された患者を受け入れる病院が見つからず、隣接する釜山市の病院に運ばれた後に亡くなっていたことが、17日分かった。

 政府が医師不足などの対策として打ち出した大学医学部の入学定員増に反発して研修医が一斉に職場を離脱するなど、医療界と政府の対立が2カ月近く続く中、患者の被害が拡大している。

 聯合ニュースの取材によると、先月31日午後4時ごろ、金海市内で畑仕事をしていた60代の女性が胸の痛みを訴えて119番通報した。消防当局は慶尚南道地域の六つの病院に連絡したが、医師不足などを理由に全て断られた。

 その後、20キロほど離れた釜山の病院から診療可能との連絡を受けて搬送され、検査の結果、大動脈解離と診断された。緊急手術が可能な病院を探し、釜山の大学病院に運ばれたが、同日午後10時、手術の準備中に亡くなった。 

 女性の娘は「最初から大きな大学病院に運ばれていれば母は生きていたのではないかと思うと、とても残念で悲しい」として、先に搬送された病院でも救急センターが正常に運営されていればもっと早く手術が受けられたはずだと強調。保健福祉部の被害申告・支援センターに被害を届け出たという。

 このほか、釜山では急性心疾患を発症した50代の患者も手術を受けられる病院が見つからず、約4時間後に隣接する蔚山市の病院に運ばれたが死亡したと伝えられた。

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