▲韓悳洙大統領権限代行首相が14日、ソウル市鍾路区の政府ソウル庁舎で開かれた国務会議(閣議に相当)で議事棒を打っているところ。/写真=首相室提供

 韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行が大統領指名分の憲法裁判官候補者2人を指名した行為を巡り、効力を停止してほしいという仮処分申請を、憲法裁判所が16日に受け入れた。これに伴い、韓権限代行が今月8日に文炯培(ムン・ヒョンベ)、李美善(イ・ミソン)裁判官の後任として指名した李完揆(イ・ワンギュ)法制処長と咸尚勲(ハム・サンフン)ソウル高裁部長判事の任命手続きは中断された。

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 憲法裁は16日、裁判官全員一致の意見で「韓権限代行の裁判官指名に基づいた人事聴聞会などの一切の任命手続きを、憲法訴願の本案事件宣告時まで停止する」と決定した。先にキム・ジョンファン弁護士は「権限代行の裁判官指名は違憲」として憲法訴願と共に効力停止の仮処分申請を行っていた。

 憲法裁は「大統領の権限を代行する首相が裁判官の指名・任命権を行使できるとは断定できない」とし「申請人が『憲法と法律が定めた資格と手続き』によって任命された『裁判官』ではない人物によって憲法裁判を受けることになりかねず、正当な裁判を受ける権利を侵害されかねない」と指摘した。

 法曹界からは「現実的には6月3日の大統領選挙前まで憲法訴願事件の宣告を出すのは難しく、文炯培・李美善裁判官の後任は次期大統領が指名するものとみられる」との見方と共に懸念の声が上がった。ある法曹関係者は「野党が政権を取ることになったら、憲法裁は進歩(革新)寄りの裁判官が多数になり、政治的偏向が一段とひどくなるだろう」「国会と行政府に続いて憲法裁まで(進歩派が)掌握する結果を生むだろう」と語った。

 韓権限代行は「憲法裁の決定を尊重し、憲法訴願事件の宣告を待つ」と語った。

パン・グクリョル記者

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