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真の狙いは? 代理母で21人の子を持ったLAの中国系夫妻が話題に(下)
問題の業者を通じ、昨年3月に女の子を産んだ別の代理母で、ロサンゼルスに住む美容師バニティー・マクゴべランさんはCBSテレビに取材に対し、警察から「依頼女性であるジャン容疑者がそれほど多くの子どもを持っていると聞いて衝撃を受けた」と話した。ジャン容疑者は「まだ子どもがいない」と話していたという。
【写真】代理母で21人の子を持った中国系夫妻と寝室が9部屋あるLAの自宅
マクゴべランさんはマーク代理出産の職員だという2人と主に連絡を取り、代理出産契約書上の両親であるシュアン氏夫妻は産前診療に一度も同行しなかった。赤ちゃんの「親」と会ったのは夫のシュアン容疑者との契約書の公証手続きが唯一だった。しかし、出産直前に妻のジャン容疑者はマクゴべランさんに「私の娘だ」と言って10代少女の写真を見せた。ジャン容疑者が不妊女性だと思っていたマクゴべランさんはその時も衝撃を受けたという。
夫妻は時には不妊夫婦のために代理母を募集する業者の代表として、時には「子供を切実に望む夫婦」として自分たちを紹介し代理母を募集した。
FBIと警察はこの中国系夫婦が自分たちが設立した代理出産業者を通じ、子どもを「売った」かどうかに捜査の焦点を合わせている。しかし、ジャン容疑者はウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューでそれを否定し、自分たちはただ子どもがたくさん欲しかっただけだと話した。ジャン容疑者は「私たちは絶対に子どもたちを売らない。とてもよく面倒を見ている」と主張した。
同紙によると、夫のシュアン容疑者は中国・新疆ウイグル自治区出身で、ロサンゼルスで不動産会社を経営し、主に競売で落札した住宅100戸以上を保有。ロサンゼルスの中国系ビジネスコミュニティーではよく知られた人物だった。
夫妻は2021年から代理出産を通じて子どもを持ち始めた。妻のジャン容疑者は自分が幼い頃、中国の一人っ子政策による弊害を経験したので、「持てるだけ多くの子どもを産みたい」とした上で、「私たち夫婦は子供たちを養うことができる。それに最近は出産を嫌う時代ではないか。それで私たちはたくさん産むことにした」と説明した。
6月に廃業したマーク代理出産のウェブサイトには、米国内外の不妊夫婦と代理母をつなぐ事業をしているとの紹介があった。実際に同社を通じて赤ちゃんを産んだ代理母の一部は「ロサンゼルス地域の中国系不妊夫婦のために赤ちゃんを産んでほしい」という話を聞いたという。
中国では代理出産が違法だが、米国では合法だ。米エモリー大学の研究によると、米国の代理出産はここ数年、中国資本の流入で急成長した。
2014年から20年の期間に米国で代理母制度を利用した不妊夫婦の3分の1は外国籍であり、うち41%は中国籍だった。また、一部の米国代理出産業者は、出生直後に米国の市民権を得られる点をマーケティングポイントとして掲げている。
夫妻は「私たちは法は犯してもいないし、人身売買の証拠もない」と反論した。しかし、WSJは夫妻が設立した代理出産業者と中国の顧客に直接的な関連はないのか、合計で何人の子どもを持ったのか、なぜ自宅を代理出産業者として登録したのか、単に「手数料」を節約するために業者を設立したのか、「本物の顧客」もいたのかなどは依然としてミステリーだと指摘した。同紙は夫婦と英語と中国語で数回にわたってインタビューを行ったが、夫婦の話は一部前後のつじつまが合わず、夫婦はしばしば回答を拒否したという。
イ・チョルミン記者