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自撮り中の死亡・負傷事故が最も多い国はインド、その理由とは
スマートフォンでの自撮り中に負傷・死亡するケースが最も多い国が、インドであることが分かった。
米紙ニューヨーク・ポストが8月25日、報じた。それによると、バーバー法律事務所は2014年3月から25年5月までのグーグルニュースを基に、全世界で発生した自撮り関連の負傷・死亡事故を調査した。
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調査の結果、自撮り関連の事故の42.1%はインドで発生したことが分かったという。2014年3月から今年5月までの間にインドでは271件の自撮り関連事故が発生し、このうち214件が死亡事故、57件が負傷事故だったことが分かった。
同紙は資料を引用し「インドが最も危険な国という結果になった」と報じた。法律事務所の研究員らはこの結果について、人口密度が高い上に絶壁や線路といった危険な場所に容易にアクセスできることが原因だと説明した。
「自撮りでの事故が最も多く発生した国」の2位は米国だった。米国では同じ期間の死者が37人、負傷者は8人だった。
3位はロシアで死傷者が19人(死亡18人、負傷1人)、4位はパキスタン(死亡16人、負傷0人)、5位はオーストラリア(死亡13人、負傷2人)だった。6位以下はインドネシア(死傷者14人)、カナダ、英国、スペイン、ブラジル(同13人)だった。
法律事務所側は「SNS(交流サイト)で承認されるための努力が『命を奪う』結果になっている。我々の研究から、その懸念すべき傾向が浮き彫りになった」とした上で「完璧な写真を撮るために危険を顧みる必要はない」と指摘した。さらに「このような悲劇のほとんどは、数歩下がるとか、より安全な場所を探していれば、避けられていた。そこがさらに懸念される部分だ」と続けた。
ニューヨーク・ポスト紙は「インスタグラムやTikTokといったプラットフォームの人気が続き、クールで冒険的な自撮り写真を撮らなければというプレッシャーがこれまで以上に強くなっている」と説明した。「バズるコンテンツ(急激に話題になり拡散される動画や写真)」を生み出したいという欲望が大きくなり、基本的な安全を軽視して命の危険を顧みずに撮影するようになっているというのだ。
実際にインドでは最近、野生のゾウと写真を撮ろうとした男性が、ゾウに近づきすぎてゾウに踏まれて重傷を負うというケースもあった。
法律事務所は「自分を危険にさらさなくても、美しい瞬間が撮れる安全な代案は常にある。『いいね』やシェアの件数がどんなに多くても、命を危険にさらす行為は正当化できない」と安全確保を呼び掛けた。
キム・ガヨン記者